インバウンド税務日記

インバウンド税務日記

東京で外資系企業や外国人向けの会計事務所を営みつつ、フィリピンで経理アウトソーシングの会社を運営しています。最近はマニラにいることが多いです。

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昨年にフィリピンのマニラに拠点を構えて、オペレーションを開始しています。マニラにいる時間が長いものの、多くの顧客は日本にいるということで、海外にいながら日本の仕事をする方法について試行錯誤してきました。今回はその方法についてご紹介したいと思います。

1.インターネット電話

無料のサービスとしてのSkypeやGoogle Hangoutはもちろん利用しますが、特に役所系など相手が必ずしもアカウントをもっていないことがあります。電話番号でしか連絡を取れない相手について下記のような利用するサービスを利用しています。

050plus
NTTコミュニケーションズが運営するIP電話アプリ。050の番号が付与されるので、事務所の代表電話としても利用しています。

Skype電話
Skypeクレジットを購入することで、携帯電話、固定電話への電話もできます。

フィリピンはインターネットの環境が悪く、Wifiでのインターネット電話は通話の品質が安定しないことがあります。そんなときはPCのデスクトップアプリから固定回線を使ってSkype電話で通話することが多いです。

また、日本とフィリピン以外の国に電話をするときは主にSkype電話を利用しています。

050Free
ブラステルというブラジルの通信会社が運営するアプリ。050Freeはインターネット電話で050の番号が付与されるのですが、フリーダイヤルにも通話可能ということで重宝しています。日本のフリーダイヤルは基本的に050からの番号は受け付けておらず、さらにカスタマーサポートなどは、サービスや商品が国内向け前提のものだと意外とフリーダイヤルのみからしか受け付けず、そんなときはこのサービスが唯一の連絡方法となっています。
 

2.Webゆうびん、オンラインFAX

Webゆうびん
自分から顧客に紙の資料をお願いすることはほぼありませんが、相手のほうから紙での送付を依頼されることは役所系を中心に未だに多いです。そんなときはこのサービスを利用します。ワードやPDFファイルをアップロードして送付先を入力すれば、印刷して送付してもらえます。意外なことに?日本郵便のサービスです。

オンラインFAX
日本の中小企業や金融機関ではいまだにFAXが現役です。メールにPDF添付でいいじゃないかと思うのですが、実際に私が融資を受けている金融機関の担当者はメールアドレスをもっておらず、よくFAXの送付を依頼されます…

そんなときは仕方ないのでオンラインFAXのmyfaxというサービスを利用しています。


 

3.オンラインストレージ

資料のやり取りはできるだけオンラインストレージ上で実施します。定番のソフトウェアは、

Dropbox
Google Drive
Owncloud

クライアントにはスキャナーを渡してPDF化してもらい、オンラインストレージで共有してもらった上でマニラで作業をしています。定評のあるスキャナーとしてはScanSnap iX100があります。

 


4.クラウドアプリケーション

会計ソフトだと下記二つを使っています。

弥生会計オンライン
MFクラウド会計

現時点では機能がまだ弱いので(固定資産管理がイマイチ等)法人顧客向けでは使っていませんが、個人の顧客を中心に利用しています。顧客との情報共有が楽になりました。

また金融機関のデータ取り込み昨日はやはり便利です。自分の会社でまずは試しているのですが、小規模な会社の場合は慣れれば数時間で記帳が完了してしまいます。
 
他にはMISOCAなどクラウドで請求書を作成するサービスも良く利用しています。私はできるだけメール添付で請求書を発行するようにしているのですが、やはり紙での郵送を希望される方も多く、クラウドであれば場所を問わずに作業ができ、紙での郵送も代行してくれるのがありがたいです。

あと、ウェブ版では機能が限られますが、税金関係では当然e-Tax(国税)やeLTAX(地方税)も利用しています。
デスクトップ版のアプリケーションも加えれば、98%くらいの税務の申請・申告はオンラインでできるようになりました(未だ100%ではないのは不満ですが…)。


 

5.本

仕事が専門職ということがあり、業務上多くの本を買います。できるだけ日本に滞在時に購入して持ってくるようにしていますが、緊急で必要になることがあります。専門書は電子化されてないことが多いので、紙の本を購入することになります。

送料はかかりますが、Amazonであれば海外への直接発送も可能ですし、他の商品と合わせて、海外発送専門の業者を利用することもあります。

転送コム

なお、自炊代行は著者の許可がないと著作権法上、違法になったようですね…
Amazonで購入して自炊代行業者に直接送付してPDFにするのはとても便利なのですが。


 

まとめ

最近は在宅ワーク、リモートワークが認められることが多くなってきました。それはつまりオフィスの場所は問わないということで、私の事務所では海外にアウトソーシングの会社を設立することを選択しました。

まだまだ課題は多いですが、新しい会計事務所のあり方として方法を模索してきたいと思っています。

 
2017年1月25日付で法務省が「商業登記の申請書に添付される外国語で作成された書面の翻訳について」を公表しました。

商業登記の申請書に添付される外国語で作成された書面の翻訳について

商業登記の申請に関して、外国会社の株主総会議事録や取締役会議事録の翻訳、外国の登記事項証明書の翻訳が必要な場合などで、関連のない部分についての翻訳が不要になりました。

先日は外国企業による会社設立手続の際に邦銀の海外支店口座を使えるようにするという方針も出しており、対日投資の拡大のための規制緩和が進んでいます。

子会社の設立手続き簡単に 政府、外国企業向け

本件を英語でまとめた記事も作成してみました。
Translation of the documents written in foreign language which is attached in the application form of the commercial registration
「会計人コース」9月号にコラム「私の独立開業日誌」を掲載していただきました。2ページの小さなコラムですが、独立に至る経緯やフィリピンの話などを書いています。

本屋で見かけたら是非お手に取ってみてください。