植物の、動物との決定的な違いは、「動くことができない=移動することができない」 ことです。
植物は一生同じ場所で生きていくため、その場所の環境に影響を受けて生活しているといえます。


植物にとって暮らしやすい場所は、水があり、適当な温度が保たれている場所が考えられます。
また光合成をすることを考えると、光と二酸化炭素も必要になります。
土や養分も必要です。
これらが備わっている環境は、植物にとって暮らしやすい場所といえます。
反対に、植物にとって厳しい環境は、水がなく、気温が高過ぎたり低過ぎたりする場所などが考えられます。
そのような厳しい環境の一つとして、少ししか雨が降らない砂漠のような乾燥地帯があげられます。
サボテンは、そんな厳しい環境で生きている植物です。
サボテンは、ウチワや柱といった様々な形のものがありますが、トゲが特徴です。
硬く鋭いトゲは動物に食べられるのを防いだり、日陰をつくって強い日差しから体を守るはたらきを
しています。
サボテンは、厳しい環境でも生きていけるような体の仕組みをもっています。
サボテンを観察してみます。
植物は普通、根、茎、葉からできています。
サボテンも根は土の中にあり、太い茎を持ちますが、葉はどこにあるのでしょうか。
あるいは、葉はないのでしょうか。
サボテンは、トゲが葉に当たります。
サボテンの茎を切って断面を見てみます。
植物は、根から吸い上げた水分を、茎から葉へと送っています。
そのため茎の中には、葉につながっている、水を通す管があるはずです。
水が通る管をわかりやすくするため、色水を吸わせてみます。
しばらくしてから横に切って断面を見ると、水が通る管がわかります。
さらに、縦に切って見てみると、水を通す管がトゲに向かっているのがはっきりとわかります。


普通の植物とサボテンを、縦に切って比べてみます。
両方とも、茎の中央には、水が通る管=道管があります。
普通の植物では道管は枝分かれして葉や、芽が出る先端へとつながっています。
一方、サボテンでは、道管はトゲと先端部につながっています。
つまり、サボテンのトゲは葉にあたるのです。
サボテンは、どうして葉をトゲに変化させたのでしょうか。
普通の植物の場合、乾燥した晴れの日が続くと、葉からたくさんの水分が蒸発して枯れてしまいます。
一方、サボテンの場合は、葉をとげ状にして太い茎に水を蓄えることで、水分の蒸発を防ぐことができます。
光合成は茎にある葉緑体でおこないます。
植物は、どうして水を必要とするのでしょうか。
一番根本的な答えは、「生物は海の中で誕生した」 ということです。
生命の始まりは、水の中で生まれた小さな1つの細胞でした。
そのような細胞から進化してきたのが今の生物たちであり、植物も、その祖先は海で生活していたのです。


コンブ・ワカメ・ヒジキなど、食べ物として馴染みが深い海藻は、光合成をする植物の仲間です。
海藻が生活する場所は、海岸から太陽の光が届く海底まで広がっています。
海藻は、岩の上に張り付くようにして、その姿を海の中で漂わせています。
また、魚類の産卵の場や小さな魚のすみかにもなっています。
海の中で生活している海藻の体のつくりは、どうなっているのでしょうか。
海岸べりにはえている海藻の一種、アオサを見てみます。
アオサは、根がなく全体が茎か葉のように見えます。
顕微鏡で観察すると、アオサの細胞には緑色の葉緑体が見られます。
海藻は葉緑体で光合成をしています。
陸上の植物であるツバキの葉の細胞と比べてみると、アオサの細胞には道管がなく、つくりも単純に
見えます。
海藻の体には根、茎、葉がなく、道管もありません。
水は体全体から、しみ込んで入ってくるため、全体で吸収していると言えます。
そのため道管が必要ではなく、重力に対して体を支える必要もないために、根や茎もありません。
海藻を長時間、陸に上げると乾燥して死んでしまいます。
海藻にとって、海の中は穏やかな世界、つまり、ゆりかごとも言える場所なのです。


海で誕生した植物は、どうして陸上に進出したのでしょうか。
海の中では、様々な生物が現れ、繁栄するようになっていきました。
ゆりかごだった世界は、どんどんせまく窮屈になり、生きていくための競争が激しくなっていきました。
しかし、陸上には、植物がありませでした。
植物は競争のない陸上に進出したのです。
海から陸上へ進出を始めた植物の姿は、約4億年前の地層で発見された化石から知ることができます。
リニアと呼ばれる植物です。
水中で生活してきた植物にとって、陸上は、光は豊富でしたが、水を取り込むのはとても難しい場所でした。
そこで、陸上に進出した植物は体の中に、水や養分を運ぶための管=維管束を発達させていきました。
体の仕組みを変えることで、植物は陸上に進出することができたのです。
マツバランはシダの仲間で、最初に陸上へ進出した植物に似ていると考えられている植物です。
ワラビやゼンマイもシダ植物ですが、シダの中でも原始的な体を持つマツバランは、根や葉はなく、
茎だけでできています。
海で生活していた海藻などの植物の中からマツバランのような植物が現れ、やがて菜の花やサボテンといった
種子植物に分かれていきました。
私たちが良く知るこれらの植物は根・茎・葉を持ち、道管などを備えるようになりました。
周りの環境によって、植物は変化し、進化してきたのです。
海で生まれた、光合成をする生物たちは、いろいろなものがいました。
(※海藻を植物に含まないという考え方もあります)
元々、海で生きていた植物にとって、陸上はとても厳しい世界でした。
しかし厳しい環境は、その分、他との競争が少ない場所だとも言えます。
「暮らしやすい場所は競争が激しく、生きるのが厳しい場所は競争が少ない。」
進化は、「競争に勝つこと」 と 「より厳しい環境に挑む」 という2つの方向が、からまり合いながら
進んできたと言えます。
植物は一生同じ場所で生きていくため、その場所の環境に影響を受けて生活しているといえます。


植物にとって暮らしやすい場所は、水があり、適当な温度が保たれている場所が考えられます。
また光合成をすることを考えると、光と二酸化炭素も必要になります。
土や養分も必要です。
これらが備わっている環境は、植物にとって暮らしやすい場所といえます。
反対に、植物にとって厳しい環境は、水がなく、気温が高過ぎたり低過ぎたりする場所などが考えられます。
そのような厳しい環境の一つとして、少ししか雨が降らない砂漠のような乾燥地帯があげられます。
サボテンは、そんな厳しい環境で生きている植物です。
サボテンは、ウチワや柱といった様々な形のものがありますが、トゲが特徴です。
硬く鋭いトゲは動物に食べられるのを防いだり、日陰をつくって強い日差しから体を守るはたらきを
しています。
サボテンは、厳しい環境でも生きていけるような体の仕組みをもっています。
サボテンを観察してみます。
植物は普通、根、茎、葉からできています。
サボテンも根は土の中にあり、太い茎を持ちますが、葉はどこにあるのでしょうか。
あるいは、葉はないのでしょうか。
サボテンは、トゲが葉に当たります。
サボテンの茎を切って断面を見てみます。
植物は、根から吸い上げた水分を、茎から葉へと送っています。
そのため茎の中には、葉につながっている、水を通す管があるはずです。
水が通る管をわかりやすくするため、色水を吸わせてみます。
しばらくしてから横に切って断面を見ると、水が通る管がわかります。
さらに、縦に切って見てみると、水を通す管がトゲに向かっているのがはっきりとわかります。


普通の植物とサボテンを、縦に切って比べてみます。
両方とも、茎の中央には、水が通る管=道管があります。
普通の植物では道管は枝分かれして葉や、芽が出る先端へとつながっています。
一方、サボテンでは、道管はトゲと先端部につながっています。
つまり、サボテンのトゲは葉にあたるのです。
サボテンは、どうして葉をトゲに変化させたのでしょうか。
普通の植物の場合、乾燥した晴れの日が続くと、葉からたくさんの水分が蒸発して枯れてしまいます。
一方、サボテンの場合は、葉をとげ状にして太い茎に水を蓄えることで、水分の蒸発を防ぐことができます。
光合成は茎にある葉緑体でおこないます。
植物は、どうして水を必要とするのでしょうか。
一番根本的な答えは、「生物は海の中で誕生した」 ということです。
生命の始まりは、水の中で生まれた小さな1つの細胞でした。
そのような細胞から進化してきたのが今の生物たちであり、植物も、その祖先は海で生活していたのです。


コンブ・ワカメ・ヒジキなど、食べ物として馴染みが深い海藻は、光合成をする植物の仲間です。
海藻が生活する場所は、海岸から太陽の光が届く海底まで広がっています。
海藻は、岩の上に張り付くようにして、その姿を海の中で漂わせています。
また、魚類の産卵の場や小さな魚のすみかにもなっています。
海の中で生活している海藻の体のつくりは、どうなっているのでしょうか。
海岸べりにはえている海藻の一種、アオサを見てみます。
アオサは、根がなく全体が茎か葉のように見えます。
顕微鏡で観察すると、アオサの細胞には緑色の葉緑体が見られます。
海藻は葉緑体で光合成をしています。
陸上の植物であるツバキの葉の細胞と比べてみると、アオサの細胞には道管がなく、つくりも単純に
見えます。
海藻の体には根、茎、葉がなく、道管もありません。
水は体全体から、しみ込んで入ってくるため、全体で吸収していると言えます。
そのため道管が必要ではなく、重力に対して体を支える必要もないために、根や茎もありません。
海藻を長時間、陸に上げると乾燥して死んでしまいます。
海藻にとって、海の中は穏やかな世界、つまり、ゆりかごとも言える場所なのです。


海で誕生した植物は、どうして陸上に進出したのでしょうか。
海の中では、様々な生物が現れ、繁栄するようになっていきました。
ゆりかごだった世界は、どんどんせまく窮屈になり、生きていくための競争が激しくなっていきました。
しかし、陸上には、植物がありませでした。
植物は競争のない陸上に進出したのです。
海から陸上へ進出を始めた植物の姿は、約4億年前の地層で発見された化石から知ることができます。
リニアと呼ばれる植物です。
水中で生活してきた植物にとって、陸上は、光は豊富でしたが、水を取り込むのはとても難しい場所でした。
そこで、陸上に進出した植物は体の中に、水や養分を運ぶための管=維管束を発達させていきました。
体の仕組みを変えることで、植物は陸上に進出することができたのです。
マツバランはシダの仲間で、最初に陸上へ進出した植物に似ていると考えられている植物です。
ワラビやゼンマイもシダ植物ですが、シダの中でも原始的な体を持つマツバランは、根や葉はなく、
茎だけでできています。
海で生活していた海藻などの植物の中からマツバランのような植物が現れ、やがて菜の花やサボテンといった
種子植物に分かれていきました。
私たちが良く知るこれらの植物は根・茎・葉を持ち、道管などを備えるようになりました。
周りの環境によって、植物は変化し、進化してきたのです。
海で生まれた、光合成をする生物たちは、いろいろなものがいました。
(※海藻を植物に含まないという考え方もあります)
元々、海で生きていた植物にとって、陸上はとても厳しい世界でした。
しかし厳しい環境は、その分、他との競争が少ない場所だとも言えます。
「暮らしやすい場所は競争が激しく、生きるのが厳しい場所は競争が少ない。」
進化は、「競争に勝つこと」 と 「より厳しい環境に挑む」 という2つの方向が、からまり合いながら
進んできたと言えます。