Nightstar Specialという975ccの水冷Vツインに試乗しました。
Vツインならではのパルス感は程よく味わえます。

パルス=鼓動は大きく強いほど乗り味は濃くなるけど、低速域での運転がシビアになりやすい。

速度や曲がり方によって4気筒バイクとは異なる繊細さが欠かせません。
とは言っても3気筒や4気筒バイクと比較しての話。ビギナーでも違和感なく乗れる造りです。

 

 

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さて今回はウインカースイッチの話です。

一番下にホーンボタン。その真上にウインカースイッチ。それが大半のバイク車両の基本レイアウトですが現在のHDは単純な上下配置ではなく、ちゃんと考えた作り方です。

一番下にホーンボタンがあるけど、通常のグリップを握った状態からの最短で親指の先端がスイッチに届く位置にセット。つまりグリップ寄りの配置に加えて奥行きも取り入れてセット。ただし、低い位置で少し奥の方にセットした配置のため、ライダーの身長によってボタン位置は見えにくい。日本のメーカーはスイッチが見える位置にするのが定義かもしれないけど、いちいちスイッチ位置を確認して操作することはかえって不自然というか無理がある。車の運転の右左折でウインカー入力を意識してスイッチを見ながら右左折する人はいないのと同じ。多分ですが。

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その上にあるウインカースイッチはホーンボタンより若干右上にセット。オフセット配置でライダー側に寄せている。若干右で、若干手前へ配置。ウインカースイッチはストロークが必要なため左右動かしやすい位置確保がその要件。

大袈裟に聞こえるかもしれないが、こんな他愛のないことが意外に大事と思います。

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親指は本来は左右に動かすよりもまずはモノを握る時の要。ゆえにこれなら握る方向=親指先を押す方向となり、指が正確に速く動かしやすい。危険を察知して瞬時に対応できてナンボの世界がバイクライディングなので従来のレイアウトより確実に一歩前進と判断しても良いと思います。

ホーンを鳴らす時間があるなら本当にパニックではない!とも言えますので利用回数が圧倒的に多いウインカー入力ボタンの位置を最適化したホンダ式ボタン!という合理性もあるのです。
一方でホンダ式は嫌だとする意見も根強い。

白黒決着をつけなきゃいけない次元なら、世界統一基準を作るぐらいの勢いも必要です。単純に人生で最初に出会ったスイッチがAとしたらAが正義になる。狼に育てられた猫は狼と同じ行動様式をとるのとさして変わらないお話でしょう。ホンダのバイクで免許を取得したらホンダのスイッチが正義になる。かつてはホンダがマーケットをリードしていたから、それがスタンダードになっただけ。なのにホンダが自ら合理性を探求してウインカースイッチを一番下に、その上にホーンボタンをセットした。なので「扱いにくい」という意見が出る。

正しいけど、正しいとは言い切れないとも言える。

メルセデスのウインカーレバー位置は左だけど、右配置としたら比較的下の位置にセットしてある。

ところが国産車の大半は時計の針で言うなら10時10分の10分の位置にウインカーレバーがセットされている。通常、9時15分、8時20分の位置にハンドルを握るとしたら10時10分の位置にあるウインカレバー操作は煩わしい、とも言えます。

慣れてしまって、それが「正しい」と勝手に脳が決めてしまっているだけで、実は知らない間にストレスを溜めている可能性があるとも言えますね。

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ウインカースイッチの場所と形状は重要ですが、その前に私個人としてはスイッチ形状や配置よりもオートキャンセル式ウインカーであって欲しいのですが、なかなかこれが普及しない。ちなみにこのバイクにはセットされています。国産も外車も大型バイクにセットしている場合が多いですが、人の安全はバイクの大小に関係ないはず。コスト優先は仕方がないとも言えますが、でもやはり悲しい。

ウインカー消し忘れによる交差点直進通過ほど怖いものはないのですが・・。

命に関わる問題なんです。ライダーの注意力に依存すべき事柄ではないのに。

車はどれも自動でウインカーがキャンセルされるけど、乗り方が難しく危険度が高いバイクは一部の高額バイクにしか使われていない現実。

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理論的に良いもの=合理性があるもの、というより「世の流れ」「思考」「嗜好」に沿うのは大企業の必然性になるのかな。

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ちなみにハンドルグリップの太さは北米のインチ系ではなく、手のひらの小さい方が乗ってもグリップしやすい国産と同じメトリックサイズの細いタイプ。グリップが太いと左右のレバーが遠いことと同義になります。

 

今回はグリップに関連する電装スイッチの話でした。