音楽とワイン、絵画などのマリアージュを語る人が多い。
なかなか、音楽とのマリアージュは難しい。
以前、NHKで、絵画の前でバイオリンの演奏をするという企画があり、松本幸四郎がゲストだったが、彼はその絵がもの凄く好きで、感動して絵ばかり見ていて、音楽はどうでもいいという感じだった。
それはそうだろうと思う。もの凄く好きな絵を前にしたら一つに集中するのが当然だろう。
反対に凄く好きな音楽の前では絵も、食事もどうでもよくなる。
レストランでは音楽はBGMで何が流れているのかもわからないことが多い。
誰もその小さな音が誰の曲なのか分からない。
ならば、無音の店が良いかと言うと、それも場面によるだろう。
2人でいい言葉で良い話をしたい時は、音楽は要らない。
反対に緊張した場面では少し音楽が欲しい。
多人数のパーティーの時は、音楽は鳴っているが、ワイワイガヤガヤで音が聞こえない。
これはつまらない。音楽がもったいない。
クラシックのコンサートで咳をするのはいけないという人もいる。
しかし、咳やクシャミをこらえていては音楽鑑賞は無理だ。
凄く有名なジャズミュージシャンの昔のライブでは、客が食事していて、話していて、ナイフやフォークの音も聞こえる。
これを聞くと自分もそこにいる雰囲気になってリラックスして音楽を聞ける。
昔のヨーロッパのクラシックコンサートのライブでも、ゲホゲホ言っている客もいる。
BGMとしては、エリック・サティの「家具の音楽」が笑える。
でしゃばらず、タラタラ弾かず(これはドビュッシーへの当てつけらしいが)、ただ、そこにしっかりとあり、実用的な音楽が良いと。
「家具」という実用的なもので、目立たない音楽という気持ち。
そのようなサティの曲を聴いたことがあるが、つまらなかった。
「ソファで音楽を聞いていないで、風呂でも掃除しなさい」という実用的なことを促す音楽なのかな。