北さんには申し訳ないですが統合をすることに致しました。統合といっても非常に消去に近い統合です。
理由としては瑠衣さんの負担の軽減、管理の簡易化、が主です。自傷の兆しが見えていたためそれを止めたいという思いもありました。またうまくいけば瑠衣さんの状況の改善が望めました。必ずしも軽減されるという確証はなく北さんがいることで助かっていた部分も多くあるため、無理にするつもりもなく本人の承諾があればと考えていましたし、どちらにせよ彼女は近いうちに消えるだろうと予想できていたため無理を強いるつもりもありませんでした。が、承諾があったため今回このような運びとなりました。
僕はこの話を北さんに持ちかけた時わざとキツい言い方をしました。僕はそのことを酷く後悔しています。今回この記事を書いている理由はただ記録目的として書いているわけではなく、僕が今回の件でかなり落ち込んでいるからです。こぼれ話です。僕は自分が彼女のことを勘違いしていたことに彼女がいなくなる直前に気がついたのです。そして僕の思違いが彼女を酷く傷つけていたのです。
人格の皆さんのお話をしますね。僕は日頃、自分が日常をどのように送っているか監視していますが残念ながら出ている人が、何を考えているかまでは分かりません。書いていただくか声に出してもらわないと分かりません。そのため大抵はその人のTwitterやLINEあるいは通話から情報を得ています。もしくは出ていない時に直接本人と会話をしたり中での様子を見て相手を判断しています。
北さんはハッキリ言ってアッパラパーな人でした。物事を深く考えず楽観的で楽しければそれでいいという人でした。自分に自信があり何でもかんでも突っ張りよく考えずにものを言うことが多々あり、面倒なことからは逃げ出すこともありました。話してみても「難しいことは分からない」とニコニコしているだけでした。僕は彼女の行動の無責任さと頭の悪さによく腹を立てていました。でも今になってよく考えてみると彼女の行動は誰かを傷つけることが殆どありませんでした。それどころか誰かを守り幸せにしていました。そのことに僕はもっと早く気付くべきでした。
彼女は統合の件を話した後、少し考えたいから時間をくれといいました。僕は構わないと答えてその場を後にしました。そして少ししてしばらくこのままでいたいと返答をもらいました。僕は了承しその場は済みました。しかししばらくして彼女からやはり統合するという旨の連絡をるまさん経由でもらいました。再度北さんに意思を確認しに向ったところ統合しても構わないが今晩だけは好きなことと準備をさせて欲しいと言われ了承しました。
彼女は3人の人と連絡を取りました。1人目は自分と気があう人で自分が統合しないかと持ちかけられていること、したくはないが統合しようと思っていること、相談してももう自分の中で答えは決まっていてただそれが嫌で愚痴ってるだけであることを話していました。2人目は賢くいつでも第三者視点で正しい判断をしてくれる人で自分の存在意義の確認をしていました。3人目は前々から話そうと約束していた相手で他愛もない話しをしていました。僕も呼ばれて少し会話し会話終了後まだやり残したことがあるということで北さんに戻ってもらいました。彼女はTwitterで2つのツイートを書きました。1つ目は前記事に書いた文章を下書きへ、2つ目は短文で違和感のないツイートをしました。その後僕ら人格が使っているコミュニケーションツールでしばらく居なくなるが心配しないように書き残しました。
僕は北さんが1人目のご友人と話している時点で様々なことを後悔していました。会話の内容では北さんがかなり多くのことを理解した上で今回の件を承諾したことや、自分の立場や僕らの疾患について非常によく理解していることが見て取れました。彼女はただのアホではなく作られたアホだということに気付いたのはその時でした。2人目のご友人と連絡を取っていた際も自分の状況を伝えずあくまでも公正に私情を挟ませないよう努力していた点、さらには3人目のご友人と会話する際も今まで通りに過ごしている姿をみて僕は後悔しかありませんでした。
やるべきことを全て済ませた彼女は僕に向かって「もう決めたことだからやめてもいいよって言わないで」と前置きして語り始めました。大方は前記事に書いた彼女の1つ目のツイートと同じようなことを仰っていました。自分の立場は分かっている、私は大人だから、私は自分の役目を終えた、最後主人格のために消えるまでが私がすべきことだ、私はみんなのヒーローになりたいんだ、と泣きながら言っていました。
僕は北さんを統合したことを間違いだったとは思っていません。最善で最良の選択であったと思っています。ただ北さんという人間の性質を理解しきれず、間違った方法で統合をさせてしまった自分の力不足はとても悔いています。僕が判断を見誤ったことで彼女を酷く傷つけてしまったことを後悔しています。自己嫌悪です。
今回このことを僕の気持ちを含めて書いたのは彼女に対する、僕の自己満足な償いです。彼女の優しさと雄姿を、僕の犯してしまった罪をせめてネット上に残しておきたいのです。彼女が存在していたことをあの夜を僕は忘れられそうにないのです。
いつか瑠衣さんがこのブログを読んだ際に、自分がためにこれだけのことをしてくれた人がいたことを、わかって欲しいと願います。