『ニルスのふしぎな旅』を原書(スウェーデン語)で読む -2ページ目

『ニルスのふしぎな旅』を原書(スウェーデン語)で読む

知人と二人で800ページを超える原書に挑戦中。

そこで調べたことなどを公開して、スウェーデン語を学習中の人、興味を持っている人と情報を共有できればと思います

ブログを開設して、はや2年半が経ってしまいました。
1歳半だった娘ももう4歳。元気に幼稚園に通っています。

ということで、ようやくブログを書くだけの余裕が出てきました。
このブログの最終目的は、原書"NILS HOLGERSSONS UNDERBARA RESA"を読むための単語帳をつくるということ。悲しいことに、スウェーデン語→日本語の辞書はほとんどないので、実際にスウェーデン語を読むためには、スウェーデン語→英語の辞書を使っています。

でも、これでは正直言って不安なので、思い切って自分で単語帳をつくってしまおうと思い立ちました。それはそれは気の遠くなるような作業ですが、地道にがんばっていきたいと思います。

さて、記念すべき第一回は、やはり原書第一文から。

Det var en gång en pojke.
 あるところに 一人の少年がいました。

気になった単語が en gång
辞書にはonceとあって「かつて」という意味です。

が、まさか、ここで「かつて」という訳もないでしょうし、おそらく「むかしむかし、あるところに」くらいの意味なんだろうなあ。でも、100年ほど前を「むかしむかし」というのは抵抗があるので、「あるところに」くらいかな。でもでも、en gångは時間の表現なのに、「あるところに」なんて場所の表現にしてもいいんだろうか?

と思っていたら、菱木晃子訳『ニルスのふしぎな旅(上)』(福音館書店)にも「あるところに」と
なっていました。
うん、やっぱり、これでよかったんだ。

ということで、en gångの訳は「(物語などの冒頭で)あるところに」と、入れておきます。
原書に最初に出会ったのは、ウプサラの本屋。
当時はまだスウェーデン語を勉強するかしないかの時で600ページを超える原書を買う勇気はなかった。

結局これが大失敗。

それから10年以上経ち日本で手に入れようと、海外にも発送してくれるスウェーデンの本屋Akademibokhandelnで早速検索。

http://www.akademibokhandeln.se/db/caweb/cc_start.abg

が、どんなに検索しても絵本版しか出てこない!
ここで大概の本は手にはいるはず。

一応、他の本屋に当たってみるも玉砕。
うーーーん、絶版になったのだろうか。古典名作として日本で新しい翻訳書が出るというのに。

その時ふと思い出したのが「北欧本画廊」
以前は京都でお店を構えていたのが、今はネット上でのみ活動中。北欧関連の本ならここが日本一の品揃えという。私も賛助会員になっている。

http://www.hokuou-hongarou.net/

お知恵を拝借しようとメールを出してみると「当会では本の斡旋をしていない」とのこと。でも、本の個人輸入のお手伝いをしている人を紹介していただけた。

一縷の望みを託して、その方にお願いをしてみる。

そこにも絵本版は手元にあるが、完全版はない。ひょっとしたら新品では手に入らないかもしれないので、中古本を含めてあたってみるとのお返事。

二つ返事で気長に待つこと3ヶ月弱。ようやく完全版が手元に送られてきた。
感動もひとしおで手に取ると「挿絵がない?」

いろいろな版があると聞いていたが、これは挿絵のないバージョン。
一緒に勉強している人は挿絵ありバージョンを持っているので、できればそちらが欲しかったのだが贅沢は言えない。これで勉強を進めることにした。

Selma Lagerlöf "Nils Holgerssons underbara resa genom Sverige" Albert Bonniers Förlag

http://www.albertbonniersforlag.se/Bocker-auto/Bokpresentationssida/?Isbn=9789100109257