豆腐よう

沖縄のお土産、頂きました。初めての味です。何とも複雑で言い表せない味です。

強いて言えば最初に感じるのが酒かすの様な味。その後いろんな複雑な味わいで口の中を駆け巡ります。チーズの味わいもあるし、食べ方が爪楊枝で端から削るように少しずつ。このわずかな量で存在感が口の中に広がります。王様や貴族の間で珍味として酒の肴やお茶請け、滋養食として食べられていた。



豆腐ようとは大豆を原料として作られる発酵食品のひとつです。

味噌や醤油、納豆と同じく大豆から作られる発酵食品ですが、大豆を其のまま発酵させたものではありません。まず、大豆から豆腐を作りこれを乾燥させるところから始まる、沖縄独特の発酵食品です。

黒麹菌などの微生物が生育しやすい亜熱帯沖縄での発酵食品のため衛生管理がとても重要なポイントであると言えます。こうした発酵工程で用いられる麹菌は、味を醸し出すために、また泡盛は亜熱帯沖縄での豆腐の発酵を腐敗から守るために、大きな役割を果たしているのだそうです。


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大きさは2cmのサイコロくらい。
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豆腐ようは琉球王朝時代に中国との交易の中で伝わったと言われ、中国や台湾ででは豆腐乳(タウフルー)や腐乳(フールー)と呼ばれ、今でも食べられている発酵食品です。これは豆腐の表面にカビを付けた後、塩ずけを行い、漬け汁に漬け込んで熟成させます。その為とても塩辛く、お粥と一緒に混ぜたり、炒め物などの調味料として使用されています。

琉球王朝の料理人は王様の健康を気遣い、当時伝来した豆腐乳や腐乳のように塩漬にせず泡盛を用いて現在の「豆腐よう」の形に改良しました。その作り方は門外不出で、琉球王朝の秘伝とされ、ここ最近まで知られていなかったのです。

豆腐ようの原料は豆腐、米麹、泡盛、塩です。豆腐は中身が蜜に詰まったきめ細かな本部産の島豆腐を使います。これをサイコロ状に切る。温度管理された室内で丸2日間陰干しにして余分な水分を抜きます。乾燥豆腐は柔らかすぎると漬け汁に漬ける熟成中に形がばらばらになってしまい、また硬すぎると熟成が進みにくくなります。美味しい豆腐ようを作るためには、適度なバランスが必要です。乾燥豆腐を漬け汁と共に約3ヶ月から半年間、密封タンクでゆっくり熟成させる。紅麹や黄麹が香りや色を付けまた豆腐のタンパク質が徐々に分解し、さまざまなアミノ酸が現れ、豆腐よう独特の旨味を作って行きます。ひとつひとつ手間を掛けることで、豆腐ようがようやく完成します。