紅ノ月夜 -154ページ目

イマジン

真・女神転生といったら、知っている人も多いはず。
去年の暮れにちかいころから、オンライン版をやりはじめてハマってしまったw(o・ω・o)
高校生のときから、MMOはしてたけど、今回も廃人気味な活動をしてます…。
これからときどきイマジンについて書くかも

緋月ノ夜ニ・・・・ 2

前回の続きです。 まだまだ駄文ですが・・・。

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緋那は兎に誘われるままに来たが気付くといつの間にか、薄暗い森の中にいた。


「あれ?いつの間にこんな場所に…?私、さっきまで住宅地にいたはずなのに…。

あの道真っ直ぐ進んでもこんな森に着くはずないのに…」


緋那は不安になり、辺りをきょろきょろと見回した。
だが、頭上に光る月の明かり以外、光は見当たらなかった。


「困ったなぁ…。あの兎もいなくなっちゃったし」


緋那は仕方なく自分のきたであろう道を戻り始めた。
しばらく歩くと、遠くに光を見つけた。


「家の光かな…?ここにいてもどうしようもないし、いってみよう!」


緋那は光を目指し、再び歩き出した。





緋那はやっとの思いでついた先にあったのは城のように立派な屋敷が立っていた。


「わぁー!大きなお屋敷!はっ!そんなことより、光が付いてるんだし、誰かいるよね」


緋那は屋敷の扉の前に立ち、扉を叩いた。


「すみません、どなたかいませんか?」


少しして扉がゆっくり開くと、中にはスーツ姿の白髪混じりの初老の男性が燭台を手に立っていた。


「あの…私、道に迷ってしまって…」


「そうでしたか。失礼ですが、お名前のほうは神無月緋那様でしょうか?」


初老の男性はにっこりと微笑みながら、いった。


「えっ…そうですけど…」


なんで私の名前をと思ったが緋那が質問をする前に初老の男性は言葉を続けた。


「私はこの屋敷で執事をさせていただいている、香山と申します。当屋敷の主人が緋那様をお待ちしております」


「え?お待ちしておりますってどういうことですか??」


緋那は訪れたこともない場所なのに何故?と、困惑していた。
若干おろおろする緋那を尻目に言葉を続けた。


「詳しいお話は主人様から説明していただけるでしょう」


「あ、はい。分かりました」


執事に連れられるまま、二階の応接間へと通された。


「では、ここで少々お待ちください。まもなくご主人様が参られますので」


そういい残し、執事は部屋を出ていき、その結果、緋那は一人で部屋にぽつんといることとなった。

部屋の中を一通り見渡したあと緋奈は、ソファーにも垂れ込み「はぁ…」とため息をついた。


「何でこんなことになったんだろ…。執事の香山さんの話しぶりだと私がここに来ることを知ってたような感じだったけど…。

私の家とこのお屋敷の主人さんが何か関係あるはずもないし。もー!何がなんだか分からないよ!!」


緋那がぶつぶつといいながら、頭を抱えているとカチャッという音とともにドアが開き、30代ぐらいと思われる男性と緋那をこの屋敷へと誘ったあのウサギが入ってきた。
ウサギを見て、緋那は思わず、あっ!と声を上げてしまい、赤面し、ちょっと俯いた。


―――― もー、私のバカ!思わず、あのウサギを見て声を上げちゃうなんて…


だが、男性は何事もなかったかのように、緋那の向かいのソファーへと腰掛けた。


「お待たせしてすまなかったね。私の名は宮野 勇(みやの ゆう)だ。色々聞きたいことがあるだろうし、答えるよ」


宮野は手を組みながら、笑顔で言った。
緋那はまだ若干赤い顔で、質問を始めた。


「では、早速なんですが…。そのウサギ?のような生き物に連れられて、このお屋敷にたどり着いたんですが、

どうしたら帰れるんですか?それに、どうしてこの屋敷に連れてこられたのかも…」


「どうしてここに連れてこられたのか、というと私の話に付き合ってもらうためなんだ。

本来ならば、直接迎えにいくのがよかったんだが、

そうもいかない事情ができて、このウサギの鬼無里(きなさ)を使いに出したんだ。

そして、私の話に付き合ってくれたならば、家まで送り届けると約束しよう」


緋那はじっと男性の言葉を聴いていたが、「家に送り届ける」という言葉がでると、思わずソファーから立ち上がり、身を乗り出してきいた。


「本当ですか!話に付き合えば、必ず帰れるんですよね?!」


宮野はコクリとゆっくり笑顔で頷いた。


「大丈夫、必ず家に送り届けるよ」


「よろしくお願いします。そうだ、あの、何で私の名前を知ってたんですか?私、宮野さんとは一度もお会いしたことがないと思うんですけど…」


「ん?それかい?それは、取り合えず私の話を一つ聞いてもらってから、お話しよう」


「は、はぁ…」


緋那は少し困り気味に、返事をした。


―――― なんだか、この人のペースに巻き込まれてってるきがする・・・・


宮野はゆっくりと語り始めた。




こうして、緋月の夜が更けてゆく・・・・ ――――

緋月ノ夜ニ・・・・

コツコツ…


「ふぅー。すっかり遅くなっちゃったなぁ…」


そういってトボトボと歩く女子高生が一人。彼女は神無月 緋那(かんなづき ひな)
高校2年生である。
緋那はゆっくりと空に輝く月を見上げた。


「わぁー!月が紅いなんて、初めて見た!」


そんな月に見とれていると前からアスファルトを爪で引っ掻くような音が聞こえて来た。


「なんだろう…?」


緋那が目を凝らし、薄暗いその先を見つめた。
すると、現れたのは見たこともない動物だった。
その姿は兎の体にリスのように長くふわふわの尾をもっていた。


「うさぎ…?じゃないよねぇ…」


じーっと緋那は目の前に現れた見たことのない動物を見つめていると、キュィッと一鳴きし、ついて来いというように振り返りながら、少しずつ来た道を戻り始めた。


「ついて来てほしいの?」


緋那がそういうと再びキュィッと鳴いた。
緋那は一瞬ついて行くべきか迷ったが、不思議とついて行かなければいけないという気持ちが込み上げて来た。
不思議な兎に誘われるまま、その後をついていくことにした。




―――――次回に続く