肺炎も落ち着いてきた頃また治療を家族で話始めた。
父は治療したくないと言っていたが、家族が強く治療を進めまた抗がん剤を始めることになった。

以前父は抗がん剤が良く効いた。家族はそれを期待した。

しかし、父の体に異変が起きていた。手がグローブのように腫れてしまった。父は自分で何かするのが困難になってしまった。先生に聞いても原因不明。
それでも父は家族に言われるがまま抗がん剤治療を続けた。

採血するとき父は自分で洋服が脱げないので手伝ったとき知った。父の腕が痩せて余りにも細かった。子供の頃兄弟と父の腕にぶら下がってた頃とは違う。涙が出た。

治療を続けて欲しがった家族を説得して父の治療をやめる事にした。
家族も治療を辞めたら病気が進行すると思ったから反対した。みんな父を思っての事だった。

先生に治療をやめる事を話した。先生は支持してくれた。定期的に検査するだけになった。父がほっとした顔を見せたのが印象的だった。
お父さんずっと我慢させたね。
お父さんゆっくり休もうね。