治療をやめてから少しの間は父はやや穏やかに過ごせていた。でも少しずつ自分で出来てたことが出来なくなってきた。ケアマネージャーにお願いして電動ベットをレンタルした。

父が落ち込まないように食べ物に気をつけた。食器やスプーンなど軽くして父が自分で食べられるように工夫した。父は母が食べさせようとした時子供じゃないとひどく嫌がった。ときには食事も拒否する事もあった。

とりわけ、こだわったのはトイレ。どうしても自分でトイレに行く。おまるは絶対嫌。
母を何度も呼ぶ。

子供には手を借りたくない。

母が疲労してきた。


体が動かなくなってきたのは父の病気の進行と比例していた。

血液検査、腫瘍マーカーが倍に倍に上がっていく。

父と母と一緒に検査結果を聞く。父はどんな思いで聞いてたのだろう。

自分で歩いていたのが車椅子を使うようになった。

先生もはっきりいう方が言葉を選んでいるのがわかった。

私は父と一緒に住んでおらず休みの度に帰っていたが、2、3日合わないだけで父の容態が悪くなっていき驚いた。