ほぼ履いていないような巨透け透けぱんつに履き替えねばならぬなど、緊張でかえって疲れてしまう。
なので今回は巨透け透けぱんつでなさそうなマッサージ店のドアを叩いてみた次第である。
ここは入店と共に前払いを済ました。
『座って待っててな』
と言われたソファには従業員のケータイが置いてある自由なスタイル。
すぐに部屋に案内され、着替えるように言われた。
でかした、お着替えパジャマだ。
お着替えパジャマの時点でもうほぼ安心確定みたいなものだ。
着替えた後に入室してきたタイのご婦人に
『ヘルニアの経験がある腰と尻っぺたが痛いんや』
とタイ語に翻訳した文章を見せると
『start』
とだけ言って部屋の電気を全て落とした。
まさかの真っ暗である。
何も見えない。
部屋の隅にある、時計を映し出す小さなライトだけがこの空間の唯一の光であった。
そしてご婦人は全く英語が話せず、
タイ語で“ららーららーい”的なことを言ってベッドを軽く叩いた。
横になれということだろうか。
恐る恐る手探りで枕を探してうつ伏せになった。
そしてご婦人はまた“らららーい”的なことを言ってひよこよさんのぱんつとズボンを一気に下げたのだ。
けつ丸出しや!
まさかのいきなり尻全開に驚きが隠せない。
巨透け透けぱんつどころではない、一糸纏わぬ尻である。
ただ部屋は時計を映し出す小さなライト以外真っ暗なので、ご婦人にどれだけ尻が見えているかは分からない。
暗闇なのでセーフかもしれない。
ご婦人はまた“ららーいらい”的なことを言い、尻と腰に何かを塗り始めた。
一気に広がる湿布薬の匂い。
シンガポールのタイガーバーム的なものだろうか。
(タイガーバーム:肩こりや腰痛、筋肉関節痛などに効果があるとされる外用消炎鎮痛剤)
ひとしきり尻に塗りたくった後、尻はきちんとしまわれてマッサージに入った。
ゴッドハンドマダムほど細やかではないものの、巨透け透けぱんつマッサージ店よりかは遥かに安定していたと思う。
ご婦人はたまにタイ語で話しかけてくるが、全く分からなかった。
そして
『finish』
とだけ言って部屋を出て行った。
ご婦人はstartとfinishだけは英語のようである。
着替えた部屋をあとにすると、お茶が用意されていた。
嬉しくありがたいお気遣いである。
青ティー
無味無臭の青ティー、バタフライピーであろう。
バタフライピーは白湯同然の味である。
“そういえばバタフライピーの原産国はタイやったな…”
とありがたく飲み干させていただいた。
しかし背中から尻にかけてとんでもなく湿布臭がする。
帰り道のトラムの中で申し訳なくなってしまうほどだ。
他のマッサージ店へ行けば行くほどマダムが恋しくなる。
“ここだ!”
というマッサージ店が見つかるまで、ひよこよさんの探訪は続く。
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