定期的に椎間板ヘルニアと尻っぺたに痛みが走りやすいひよこよさんにとって、
痛みを取り除いてくれるタイ人のマダムはその名の通り神様であった。
そのマダムが、タイ古式マッサージの予約を年明けから20時半のみ受けるようになり
平日の20時半はさすがに…と復活の時を待っていたのだが、ついにその時間さえ予約を取らなくなってしまったのである。
ひよこよさんはゴッドハンドを失ってしまった。
これは海外生活において大いなる痛手である。
しかし腰痛と尻っぺたの痛みは待ったなしでやってくる。
ひよこよさんはゴッドハンドマダムに後ろ髪を大分引かれつつ、新しいマッサージ屋さんを予約して行ってきた。
新しい所はバリ式とタイ古式マッサージの2種類を展開していて、勿論タイ古式を選択。
部屋に案内され、パジャマのような施術着を探す。
一番手前にあるロール布は大きめのタオルである。
なのでその奥のヘドロ色の布が施術着だと思い、広げてみたがこれもまたタオルであった。
『準備、イイ?』
と東南アジア系の女性が入ってきたので、
着替えはどこか尋ねてみると
手渡されたのは奥にある小さなビニールに包まれた黒いものであった。
『コレダケネ』
と言ってまた部屋を後にする東南アジアガール。
ビニール袋から出してみると黒い布ぱんつであった。
突然手渡された、黒透け透け紙ぱんつを目の前に広げて動揺が止まらない。
しかもビニール袋にシールでXLと貼ってあった。
(両手が余裕で入る長さの切れ込み)
欧州淑女XLサイズを
アジア女XSが履く
黒透け透け巨サイズ紙ぱんつを装着するなんて聞いていない。
それならば予約時に
“欧州淑女XL巨サイズ透け透けぱんつに着替えますよ。
それでも大丈夫という方はそのまま予約画面へお進みください”
という確認事項を入れるべきである。
それならば真冬でも常識的な何かしらの処置を施して臨むかもしれないし、
“透け透け紙ぱんつはちょっとな…”
と予約をやめるかもしれない。
100万歩譲って透け透け紙ぱんつはいい、
問題は巨というサイズ感である。
アジア女XSが欧州淑女XLを履くと
それはもう全裸に等しいのだ。
まだ全裸の方が潔い。
下半身のみぶかぶかの巨サイズ透け透け紙ぱんつ姿はもう居ても立っても居られない。
しかも真冬の未処置という非常識も上乗せだ。
『もっと小さいサイズはある?』
と東南アジアガールに問うてみたが、
彼女は一言
『ワンサイズ』
と絶望の言葉を吐いた。
もう諦めるしかない。
黒透け透け巨ぱんつをぐいっと上げるとバブル期の切れ込みバニーガールそのものとなった。
ひよこよさん改め、ポーランドの岡本夏生がここに誕生した。
そんな岡本夏生は東南アジアガールの前でまな板の鯉である。
まな板の鯉といえど、恥ずかしさが余裕で勝ってしまう。
リラックスなど到底出来るものではなく、
常に体が強張って硬直してしまった。
尻っぺたが痛くて来店したのに、自分の持ちうる力以上に引き締めて逆に尻が痛くなる始末。
東南アジアガールはインドネシア出身であった。
なのでタイ古式マッサージを真似てはいるものの、ゴッドハンドマダムとは似て非なるマッサージなのだ。
しかも尻っぺたから足など、施術部位へ移動する時には軽く尻を叩かれた。
なぜ尻を軽く叩くのだ。
痛みは若干取れたものの、何だか逆に疲れてしまった今回のマッサージ。
ゴッドハンドマダムが恋しくて仕方ないひよこよさんであった。
よろしくおねしゃす。
投稿のお知らせやたまに記事を載せるインスタアカウントはこちら↓
こちらもよろしくおねしゃす。