ひよこよさんは所謂、何かで贈られたものの類を大切にしまって取っておくような丁寧な暮らしの人ではない。
家族や友人からのものはまた別の話であるが、例えば学校や習い事、会社からの賞状や記念品はいただくと非常に困る。
そういうものは十数年後に引越しをした際に掘り起こされ、
『なぁ見てこれ、懐かしいな』
と隣で作業している人と一言会話をした後に
『もう取っといても仕方ないやろ』
とゴミ袋へ入れる自分の姿がはっきりと鮮明に思い浮かぶからである。
なので今から取っておかないのだ。
心の目に焼き付けてさよならを決め込むのがひよこよさんである。
子どもたちの工作は最も取っておかないもののひとつである。
幼稚園や小学校から持ち帰ってきたものは翌日には家から姿を消している。
もちろん全部ではない。
相当心に響いたもの(幼稚園の先生が誕生月に作ってくれた手形付き手紙など)や
1年間の総括のようなものは取っておいてある。
が、図工の授業で作った工作や日々量産されていく折り紙などは容赦なくお別れを告げるようにしている。
そうでなければキリがないのだ。
そういうもののひとつに会社からの記念品がある。
特に海外では何かと記念品を作って贈られることが多い。
年末には取引先の会社からティーポットが夫に贈られた。
こういうものが1番困る。
お茶は飲むが、1人で何杯も飲むわけでないのでわざわざポットは使わない。
そして何より趣味のポットではないので、
例え誰かが家に来てお茶を飲むことになっても絶対にこのポットが表舞台に出ることはないのだ。
そして何より取引先からなので
『youは素晴らしいNE!』
とポ語で印字されている上に、取引先社長のサインまで入れられている。
これは一体どうすればいいのだ。
さらに先日、夫が
『うちの会社が取引先に贈るタンブラーを作った関係で俺にも渡された』
とタンブラーを持って帰ってきた。
こういうタンブラーはありがたい。
しかも日本企業であるということで、現地社長が気を利かせて日本メーカーのタンブラーをわざわざ発注したとのこと。
良いサイズ感かつ日本メーカーの温冷タンブラーとは非常に実用性があって素晴らしい。
しかし開けてみると“reliability(信頼性)”と印字されていた。
信頼性
取引先との信頼の印に…と印字されたものらしい。
見た瞬間、一気に下唇が出た。
この印字の発注をかける前に、夫は社長に
『日本語でreliabilityは“信頼性”か?』
と聞かれたので
『“信頼性”で合ってるけど、
そういう印字の時に“〜性”を付けるのはおかしい。
それなら“信頼”の方が相応しいから、
英語をtrustにした方がええ。』
と話をした。
しかし受け取ったタンブラーには
信頼性
この世で1番困るタンブラーとなった。
下唇もMAXに飛び出る代物である。
旦那のアドバイスは社長に何ひとつ響かなかった上に、
タンブラーに漢字3文字が付くだけで思想感が半端なく強い。
この何かにつけて印字されたものを贈り合うシステムが非常にひよこよさんを悩ませているのであった。
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