(ダッシュしたあの日である)
今回は母とお姑舅さん、ロンドンの友人の3カ所に送ることにした。
調べてみると、ポーランド⇄日本間はハガキであれば2週間で到着するらしい。
しかし封筒の手紙となるとまた日数が増えたり、
何よりクリスマスカードなど季節的に郵送物が増える時期になると、
混雑により4週間ほどみておいた方がいいどのことであった。
ひよこよさんは1通にUK、2通にJAPANと大きく書き、計3通を近所の郵便局へ持って行った。
おばあちゃんが1人で対応している窓口。
どんなに人が並んでいても窓口は絶対に増やさないという気概を感じる。
待つこと30分。
順番が近づくにつれておばあちゃんが思ったよりもおばあちゃんであることを確認したひよこよさんは、ポ語で立ち向かうことを決意した。
『エアメール…
poczta lotnicza
ぽつつぁ…ろとにつぁ…
エアメール送りたい…
chcę wysłać pocztę lotniczą…
ふつぇ-ゔぃすわち-ぽつつぇ-ろとにつぉ…』
これを繰り返していざ勝負。
(ちなみにカード払いもOK)
『chcę wysłać pocztę lotniczą!』
そう言うとおばあちゃんは一回大きく頷き、
ゆっくりと立ち上がるとどこかへ行ってしまった。
しばらくすると、腰を叩きながらおばあちゃんが黒いファイルを両手に抱えて戻ってきた。
そしてファイルの中からくちゃくちゃのショパン柄の切手を引っ張り出した。
エアメールなのでポーランドといえばショパンという、ポーランドらしさ全開の切手を探してきてくれたのだ。
忙しいのに嬉しい心遣いである。
おばあちゃんは切手を手にすると、デスクの上でガサガサと何かを探しだした。
おそらく切手を貼るための濡れたスポンジ容器であろう。
しかしおばあちゃんのデスクは所狭しと書類や小包が積み重なっており、スポンジ容器が見当たらない。
するとおばあちゃんは大きく口開けて舌を伸ばすと、切手を舐めて貼った。
そして無言で料金を手書きメモで渡してきた。
3通で36ズロチ。
1通12ズロチ(約460円)だった。
支払うと、おばあちゃんはノールックでエアメールを横に放り投げた。
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