授業前、至るところでシーツを子に巻き付ける母親が見受けられた。
シーツを巻き付けるのみでも古代ギリシャ服。
クラスの2/3がギリシャ人となっていたように思う。
想像以上にちゃんと用意している家庭が多いことに感心していると、次男が話しかけてきた。
『母ちゃん、あの子が僕にリーベンシャーピーって言ってくるんだ』
そう言ってクラスにいた中国人親子を教えてくれた。
ひよこよさんは一瞬迷った。
が、これはチャンスである。
その当人の子がいる前で親に伝えたい。
ひよこよさんは次男に
『母ちゃんに任せときな』
と言って中国人の母親の肩をたたいた。
『どうも初めまして、次男の母のひよこよいう者です。
いきなり驚かせてごめんなさいやで。
ちょっと教えてほしいことがありまして…
次男がお宅の息子さんにいつも“リーベンシャーピー”って言われてるんですわ。
ただ私、中国語が分からなくて…
息子に意味を教えてあげたいんやけど、どういう意味か教えてくれませんかね?』
笑顔100%で言った。
ただ純粋に意味を知りたいという姿勢で、
笑顔で知らないふり作戦である。
その母親は英語が話せないようで、隣にいた同じ中国人の母親が伝えてくれた。
母親は心底驚いた様子で、
『意味は…悪い言葉で…』
と濁した。
そして息子に何か諭してくれたようであった。
そのあと母親はひよこよさんに申し訳なさそうに手を差し伸べてきたので、ひよこよさんも両手で握り返した。
よかった、いいひとだ。
これでいい。
ずっと言われ続けていた次男を思うと、
本当は小僧の顔面に鼻パンのひとつでもお見舞いたいくらいの気持ちである。
が、今回はまず親に知ってもらうということが大切なのだ。
次男には
『意味聞いたんやけど、あんまりよくない言葉やって。
かと言って次男も言っていいわけやないよ。
嫌なことを言ってくる子と同じ土俵に上がったらあかん。
また言われたら母ちゃんに良いな。
母ちゃん、またその子のお母さんに話しちゃるわな。』
と話した。
英語がおちょんちょんのひよこよさんも言うべきことは言う。
子どもたちの英語が身につくまで、ちゃんと立ち向かえるようになるまでは、親として言葉の壁以上に分厚い壁となろう。
そのあとご褒美に、帰宅後すぐに実家のタオルを思い切り吸い込んだひよこよさんであった。
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