ひよこよさんは頭を抱えてテーブルに突っ伏していた。
その頭を抱えている手の指先には小さな白いカケラが握られている。
海外に住んでいて最も絶望たる瞬間…
そう、歯である。
実際のところは歯が欠けたのではなく、
銀歯を外して白いプラスチックの樹脂に変えた被せが割れたのだ。
出国前に歯を徹底的に治してきたのに。
ロシアで虫歯治療をした際に1本20万という金額を提示された苦い思い出から、今回はしっかり治したつもりであった。
日本出国前に歯医者へ行った際、
下の歯の銀を白いレジンに変えられる治療がついに保険適用となったことを知った。
色々条件があるので、ご興味のある方は直に歯医者さんにて聞いてほしい。
2024年6月、ひよこよさんの通っていた歯医者の先生は
『保険適用のレジンにも種類はありますが、
やはり保険内で1番強度があるのは銀なんです。
あとですね、レジンの保険適用が本当に最近なので色々と統計が取れてないのも事実でして。
なので、僕たち医者も統計上の“おすすめ”がまだ分からないというのが現状なのです。
ずっと日本におられるのであれば、
“じゃ、今回はこれで”と出来るのですがひよこよさんの場合は違うでしょう?
なので今回はどうしても気になる所を治してみて、全部のお直しは日本に帰ってきた時に考えてみてもいいかもしれませんね。』
笑った時に歯の銀が見えることが嫌であったひよこよさんは、迷いに迷った末に下の銀を保険適用内で1番強度のあるレジンに変えることにした。
そのレジンが割れた。
何故ひよこよさんは銀をレジンに変えたのか。
海外に行くなら見た目より強度やろがい。
歯を見せ合いながら人と話すことなんてないんやから、強度の方が大事なことなど少し考えたら分かるやろがい。
過去の自分に叱咤しながら机に突っ伏していた。
とりあえず欠けたレジンを見ながら歯を磨いてみた。
しっかりきれいにレジンが取れている。
歯は放置していいことなど何ひとつない。
被せが取れた歯は裸の赤子のようなもの。
速攻でアプローチをかけねば、日に日に虫歯菌に侵されるかもしれない。
日本への一時帰国など予定にもない遥か先のことである。
ここはもう腹をくくって歯医者へ行くしかない。
虫歯になれば治療費も爆上がりする。
まだ被せが取れただけのこの状態が1番被害が少ないのだ。
とりあえず夫に報告。
勇気があろうがなかろうが、1秒でも早く歯医者へ行くことが歯のため、はたまた家計のためでもある。
そしてひよこよさんは徒歩で行ける歯医者への予約を取ったのであった。
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