雪も降っているし、さぞや寒かろう。
サンシェードの布地は雪が当たる植物より暖かいのかもしれない。
家に招き入れることは出来ないが、せめてサンシェードにくっついて寒さをしのいでほしいと放っておいた。
3時間後、寝室に入るとまだ虫がくっついていた。
休んでいるところ申し訳ないが、
寝室に光を取り入らねば結構室内が暗いのでぎりぎりまで上までロールさせていただきたい。
『すみませんが、ちょっと揺れますんで。
どうぞそのまま休んでもろてええんで。
ちょっと動きますけど、気にせんでくださいね。』
と声をかけてからゆっくり上げたが、虫はそのまま動かずに定位置をキープしていた。
そのまた6時間後、おまりーの散歩のためのコートを取りに寝室へ行くとまだ虫が止まっていた。
『いやね、こちらとしては休んでてもろて全く構わないんですわ。
ただ短い人生とこちらは知っているんでね、
いつまでもここにおったら人生勿体無いかなと思っとりますねや。
どうです、もう少ししたら飛び立ってみるのは。』
と声をかけて散歩へ出かけた。
しかし虫はひよこよさんが寝る時間になってもくっついていた。
『ここに朝から虫がくっついててん。
人生短いのになぁ…見かける度に声かけとったんやけど。
明日には飛び立ってるとええな。』
と歯を磨きながら夫に話した。
夫も歯を磨きながら虫を見にいくや否や、ひよこよさんに向かって言った。
『虫やない、ただの汚れや』
今日1日汚れに向かって心配し、気を遣ってずっと話しかけていた39歳。
虫だと思っていたら汚れだったと分かった瞬間、ひよこよさんの母を思い出した。
数年前、長野県で母が
『白いうさぎがいる』
と言うので父と見に行ったら持ち手が縛られた白いビニール袋であり、2人で腹がよじれるほど笑いながら帰宅したことを。
血は争えないのである。
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