ワルシャワは少し前から朝方がマイナスになることが多くなった。





ひよこよさんの家は徒歩3分ほどのところに“ソ連兵墓地”があり、約2万人の兵士が眠っている。




(撮影は今年の夏)




この墓地の周辺一帯は森のように覆われていて、おまりーの散歩ルートとなっている。





今の時期は地面が全て枯葉で埋め尽くされ、ひよこよさんは“がさがさの森”と呼んでいる。


おまりーの小刻みな歩幅に合わせてがさがさと鳴る落ち葉の音が心地よいのだ。





このがさがさの森でおまりーを放し、1時間ほど自由に遊ばせている。



ロシアでもそうであったのだが、ポーランドでも多くの人がリードなしで犬を連れている。

公園でも、公道でも放している人が多い。



ひよこよさんは車がいない公園のみ、おまりーを放す。

それでも他に犬が来た時は念のため一度手元に戻らせ、その犬がいなくなってから放している。



最初はリードを外すのが怖く、

“もう2度とおまりーと会えんかもしれん”

と葛藤の末に、断腸の思いで解き放した。



最初は自由を得たおまりーは猛ダッシュでどこかへ行ってしまうこともあったが、

呼んで戻ってきたらご褒美がもらえることを繰り返し教えた今は、きちんと戻ってくるようになった。



そしておまりーも主の行動を確認しながら歩き、勝手にどこかへ行くこともなく目の届く範囲のみで遊ぶようになった。



そうして森の中を歩いていると、大きな白い犬が遠くに現れた。





サモエドである。



飼い主はひよこよさんの後ろにいて、

サモエドはゆったりと体を揺らしながら歩いてきた。





サモエドに全く闘志が感じられなかったので、そのままおまりーを歩かせてみた。






ご挨拶を望むおまりーを全く意に介さないというか全く眼中にない、堂々たる風格のサモエドである。





ポメラニアンはサモエドを祖先に持つ。



かつてロシアのサモエド族がソリを引く犬として飼われていた犬が“サモエド”であり、

人間の生活に従事していたことから欧州に広がりドイツとポーランドに跨るポメラニア地方で派生したのがポメラニアン。






祖先の偉大さを知る。




たっぷり遊んで日が暮れそうになったので帰路に着くことに。






その時である。



静かに歩いていた道のそばで、おまりーの足音以外の音が聞こえてきた。




目線を感じるような気がする。




咄嗟におまりーを呼び寄せ、リードを付けた。




そして辺りを見回したその時、







…お分かりだろうか?









じっとこっちを見ている。











グレートデンのようなとんでもない巨犬と生垣越しに目があった。




生垣越しとはいえ巨犬を刺激せぬよう、とりあえず静かに会釈だけしてその場を去る。




色々な犬に出会えるがさがさの森。


雪が降るその時まで、がさがさの音をおまりーと楽しみたいひよこよさんであった。




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