朝3時半起きであったひよこよさんはいつの間にか眠っており、気がついた時には眼下にロンドンの地が広がっていた。
初めてのひとり入国審査。
芸人•中川家のコントで見るような強面審査を想像してちびる覚悟で臨んだが、サンタクロースかと思うくらい優しい審査官であった。
ひよこよさんのロンドン目的は2つである。
1つ目は友人たちと時間の許す限り喋り倒すこと
2つ目はロイヤルドルトンを探すこと
ロイヤルドルトン。
ロイヤルドルトンとはイギリス•ロンドンで1815年に創業された、世界最大の陶磁器メーカーのひとつである。
2015年にロイヤルコペンハーゲンを所有するフィンランド企業に買収され、ウェッジウッドと同グループの一員となった。
ひよこよさんがロイヤルドルトンを知ったのは学生の時である。
美容院のヘアカラー待ちで、何の気なしに手に取ったファッション誌の陶磁器特集にそれは載っていた。
森の中でねずみたちが、お茶会を開いている様子や四季折々の風景のなかでのんびり暮らしている姿がお皿やカップに描かれている。
(画像はネットよりお借りしました)
全く陶磁器に興味がなかったひよこよさんは、
その愛らしさと柔らかさに目を奪われた。
調べてみるとこのねずみたちはロイヤルドルトンの中の『BRAMBLY HEDGE(ブランブリーヘッジ)』という人気のシリーズで、
イギリスの女性絵本作家が書いた世界中で400万部以上のベストセラー絵本を陶磁器に描いたもの。
しかし当時学生だったひよこよさんは
『へぇ…かわええな。』
と思うだけで買いたいまでとは考えなかった。
それから18年経ったある日。
ひよこよさんはディズニー映画の初代メリーポピンズが大好きで、その次作映画のリターンズを観ていた時である。
作中にロイヤルドルトンの歌が出てきたのだ。
『あのロイヤルドルトンや…』
と記憶が蘇った。
もちろん今はネットで探せば日本で簡単にロイヤルドルトンは買えるだろう。
しかし、イギリス•ロンドンのひとり旅の思い出に現地で買いたいと強く願うようになった。
それを1日目にお世話になる友人(ウラジオストク)に話すと
『土曜日にノッティングヒルでアンティークとかが並ぶマーケットがあるから行ってみよう』
と教えてくれた。
ノッティングヒル。
ヒューグラント好きなひよこよさんは『ノッティングヒルの恋人』の雰囲気も味わえると喜んで行ってみた。
Portobello Road Market
ポートベローロードマーケットは2kmに渡る一本道に出店が並ぶ最大級のマーケット。
軽食の屋台、洋服やお土産もたくさん並ぶが、
その中でもアンティークを扱うお店が多い。
その2kmの道を、友人と話しながら歩いて探した。
話しながら歩くことがどれだけ楽しいか。
しかし楽しさ、物珍しさに気を取られてしまうがスリにご注意。
ひよこよさんは海外どこでも常にショルダーバッグに、財布はバッグとチェーンで繋げている。
ちなみにひよこよさんの愛用財布は
NHK『おかあさんといっしょ』のにこにこぷん。
普段もこれで生きている。
話を戻そう。
アンティークを取扱うお店に入り、
『ロイヤルドルトンはあるやろか』
と聞いて回ったがどこも置いていなかった。
やはり見つけるのは難しい。
ひよこよさんが欲しいのはロイヤルコペンハーゲンが出している近年のロイヤルドルトンではなく、既に製造されていない昔のものなのだ。
しかし、とある出店をのぞいていたら
『あ!
これロイヤルドルトンて書いてある!』
と友人が声を上げた。
あった。
しかも数多あるロイヤルドルトンシリーズの中でも1番欲しかったブランブリーヘッジのねずみシリーズだ。
なんてことだろう。
18年前、雑誌で見かけて恋したあのブランブリーヘッジのねずみが自分の目の前にある。
ひよこよさんの吟味開始。
(撮:友人)
カップや小皿と迷ったが、大小ひとつずつクリーマーをお買い上げ。
小さい方のクリーマーにはブランブリーヘッジと描いてある。
大きなクリーマーは1985年製造。
ひよこよさんと同い年のクリーマーである。
木の実やベリーがたくさん描かれた秋の風景で、10月が誕生日のひよこよさんは一目惚れした。
約2キロのマーケットを歩いたが、
ロイヤルドルトンを見つけたのはこのお店だけであった。
とんでもない幸運である。
老舗百貨店、Harrods(ハロッズ)もロイヤルドルトン取扱店とのことだったので行ってみたが何ひとつ置いていなかった。
しかしHarrods前にいた鳩が丸くて愛らしい。
友人が鳩を取るひよこよさんを撮っていてくれたのだが、どの写真も孫を撮るかのような笑顔だった。
友人と喋り倒し、恋焦がれた念願のロイヤルドルトンを手に入れて大満足で1日目を終えたのである。
しばらくロンドン編が続きますが、よろしくおねしゃす。
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