おじいちゃん修理工と約束した月曜日がやってきた。




ひよこよさんは不安であった。

我が家の大家、金髪ショート前髪立ち上げ女の兵藤ユキを通した約束ではなく、
おじいちゃん修理工とひよこよさんの口約束だったからである。


『月曜日の9時から11時の間に来られるように頑張るからの。』

というやる気のみの約束だ。


最悪来ないことも念頭に置いていたのだが、
おじいちゃん修理工が来たのは何とも素晴らしい10時であった。


『ほほ、来たからの。』

と言いながら今日はやる気を感じる工具をいくつか出してきた。




『今日は電球を持ってきたんじゃ。

これで大丈夫じゃよ。』


と、その電球が生きているか調べる機械を使う。





電球が生きていると分かれば、
早速古い電球と交換してみたのだが




やはり照明は点かなかった。




『ありゃりゃ』

とおじいちゃん修理工は笑い、
色んなところを開けてはコードを伸ばしたり引っ張ったりしていた。




『ハシゴはあるかの?』

と言われたのですぐに渡すと、

『ちょっとシューズカバー滑っちゃうかもじゃから脱いじゃうからの。』




と、一番土足で行ってほしくない場所No. 1のキッチン作業台に土足でよっこらしょ。


『換気扇をじゃな、ちょいと外そうと思うんじゃ。
わし1人ではどうにでもならんから、今から助っ人呼ぶで。』


とおじいちゃん修理工は誰かに電話をかけ、
その5分後屈強な若旦那がいきなり家に入ってきた。




急に現れた若旦那に

今までどこにいたのか、
おじいちゃんの部下なのか、
部下ならばなぜ最初から一緒に来なかったのか、
そもそもどこの誰なのか、


などの疑問が立て続けに沸いたが、


『ここの連結部分を外すでな。
下の換気扇が丸々落ちんようにしっかり押さえるんじゃよ。』

と若旦那に説明し、おじいちゃん修理工は換気扇自体を外し始めた。




『うぅぅぉぉぉ…!』

おじいちゃん修理工は外す瞬間に
『せーの!』的な声をかけなかったため、
いきなりの重さに若旦那の苦痛の声が響いた。




若旦那の腕力が長時間耐え切れないと悟ったひよこよさんは、大きいキッチンペーパーを2つ差し出してクッション材にしてもった。





ついに照明が点き、若旦那はまた苦悶の声を出しながら換気扇を天へと突き上げる。




換気扇が無事にはまると、若旦那はすぐに家を出てどこかへ行ってしまった。


ほんまにどこの誰やったん。



無事に照明が点くと、おじいちゃん修理工は嬉しそうに体を揺らして踊った。
そしてそのまま軽い足取りで帰っていく。


キッチンには謎の部品がひとつ置かれていた。




これは一体何の部品なのか、
今後なくてもいい部品なのか定かではないが無事に照明も点いたのでよしとしたい。


次の修理はサンシェードか、
はたまた食洗機下の壁なのか、
まだまだ修理工の出入りが激しそうなひよこよさんの家であった。


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