後ろ足がおぼつかず、床で滑ってしまって上手く歩けないので靴を後ろ足だけ履かす。
靴が家にあって、靴に慣れていて良かったと本当に思った。
下半身に麻酔が残っていて上手く歩けないのに、
おまりーがまず先に向かったのは台所である。
『台所に何かいいものが落ちていないか確認したい』
という欲望が、壁にぶつかりながらも彼女を歩かせているのだ。
その欲深い姿を見て、少し安心した。
Dr.ウォジチェホスキーからもらった用紙には、
診察内容と施術内容、投与した薬とこれからの注意事項が記されていた。
おまりーには言われた通り
19時以降に水分を、
22時以降に軽めのご飯をあげた。
トイレは足を介助すれば用が足すことができた。
翌朝、
靴を履けば昨日よりスムーズに歩くことが出来るようになった。
トイレも介助なく1人で出来る。
しかし絶対的に安静が必要なので、
Dr.ウォジチェホスキーはゆっくり散歩していいと言ったが、念には念を入れて散歩はしばらく見送ることに決めた。
昨日の疲れが溜まっているのか、
今日のおまりーはいつも以上に眠っている。
せめて寝てる時くらいはと、静かに靴を脱がせても起きないくらいに眠りが深い。
心配なのはソファの登り降りだ。
今はおまりーにSPの如くつきっきりで、登り降りしたそうなのであれば抱っこしてソファの登り降りをしている。
が、今後のためにネットでソファ用の階段を買った。
この階段を使いこなしてくれれば股関節の負担も減るはずである。
その夜のことである。
子どもたちと夕飯を食べていた時に夫から連絡があった。
『父さん今からドイツ出るて』
今からといっても車でドイツまで行っているので、帰宅は深夜だ。
話すことがたくさんあるな…と思っていたその瞬間、おまりーが大きく鳴いた。
ひよこよさんがソファを離れるのでおまりーをキャリーに入れようか迷っていたのだが、
夕飯の時には深く眠っていたのでそのままにしていたのだ。
起きてジャンプして降りてしまったらしい。
みるみるうちに下半身が崩れるおまりーをキャリーに入れ、すぐにタクシーを呼ぶ。
20分後には海賊経営の動物病院へ到着した。
その時はまだ、まさか自分が診察を手伝うことになるなんてことは知るよしもないのであった。
続く。
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