初めでこそ泣いてひよこよさんにへばりついているのを先生にはがされていたものの、
1週間もすれば泣かずに教室へ向かうようになった。
例え着いた教室で1人だけやる気がなかったとしても、
泣かずに幼稚園に向かうことだけでも大満足なのである。
それでも一応、彼は毎朝抵抗の意思を見せる。
「ようちえん、いかないよ?
おうちまってるー。」
と言いながら洋服を着替え、
「きょう、ままとー、かいものいくー。」
と言いながらコートを着、
「きょう、ままとー、こうえんいくー。」
と言いながら靴を履く。
口先だけの抵抗は表すものの、素直に幼稚園へ向かわせてくれる謎の抵抗スタイルである。
…しかし幼稚園に着いたその瞬間、次男の抵抗は最高潮に達する。
抵抗その①【車から出ない。】
次男は足元の部分に座り込み、車から出ない。
ぴったりとはまっている次男の体を、げにげにーが必死に取り出す。
抵抗その②【体の力を全部抜く。】
外に出された次男は体をぐにゃぐにゃにし、自らの力で立とうとしない。
「立つのデス!
自分で立つのデス!」
げにげにーが次男に言いながら、ヨーヨーのように上下に揺らす。
この攻防戦を一通り繰り広げ、彼は幼稚園へ行く。
先生のMiss.Vによると、ご機嫌に遊んで食べて寝ているらしい。
次男は明日も攻防戦を繰り広げ、楽しい一日を過ごすのであろう。
よろしくおねしゃす。