ロシアの日常なのか、
はたまた何かしらの文化として昔からあるものなのか分からないので
『ロシアにはこういうこともある』
と軽い気持ちで受け流してほしいのであるが…。



それを初めて見たのはウラジオストクの時であった。


スーパーのレジで、女性がひよこよさんの後ろに並んだ。

飲みかけのカフェオレを持って。


レジ係りの人は何も言わず、その飲みかけのカフェオレをレジに通した。


普通の。
普通のよくあるカップにストローを挿して飲むカフェオレである。
それを飲みながらレジを通したのである。



『え?レジに通す前に飲んでもうてるん?』

とその時思ったが、
その後もスーパーに行くと明らかにまだレジに通していないお菓子を開けて子どもに与える母親や、
レジに並んでいる時にパンを食べ、そのパンの袋のみをレジに通す人もいた。


頻繁にではないが、ウラジオストクのみならずモスクワでも見かける時がある。



一体これは何なのであろうか。
『最後買うなら結果オーライ☆』的なものなのか。


でも間違いなく少数派であるがゆえ、
例え『レジ前に我が物にしてもOK文化』がまかり通っていたとしても真似は出来ない。

そんな危ない橋は渡れない。



さて先日のこと。

スーパーにて買い物をしていると、
後ろからついて来ていた次男が急にマーライオンのように吐いた。


すぐさま頭によぎったのが、ノロである。


ここ半年で3回目である。
外は寒いが室内が暖かいゆえ、菌が元気いっぱいなのであろうか。


と思っている間に次男が2度目のマーライオンと化し、思わず両手で受け止めた。



さぁどうする。
ここからどうする。



みなさんならどうしますか。


片言でしか話せない国。
口の周りを汚した3歳の次男。
1度目のマーライオンで汚れたスーパーの床。
2度目のマーライオンを思わず受け止めた両手。



さぁ、どうしますか。



ひよこよさんはその両手のまま、近くにいた店員さんを探しだし、


「店員さん…!
あの…助けてください!
子どもが吐いてもうて…もうほんますみません!」


と言ったが、店員さんは

「床、そのままでええで。」

と言ったまま戻ってこなかった。



もう店員さんは戻ってこない。
しかしとにかく、どうにかせなあかん。


そのままでええと言われた床のところに両手で受け止めたマーライオンをそっと重ね置き、
走って向かった先はティッシュ売り場である。


そこでウェットティッシュを取り、ノロであった場合に備えてアルコール除菌シートをも取った。


そして汚れた次男の顔と自らの手を拭き、さらにアルコール除菌で手を拭きに拭いた。



レジに前に使える文化最高やん…。



そして今度は野菜売り場へ走り、

『野菜には絶対に触れてはならぬ』

と慎重に慎重を重ねながら量り売り用の透明な袋をガランガランと手に巻き、
手袋代わりにして拭き終わった諸々を袋に突っ込む。


そして使いに使ったウェットティッシュとアルコール除菌シートをレジへ持っていった。

『めっちゃ使ってもうたけど…。
ほんと大丈夫なんかい…。』

と緊張したが、何もなくレジは通された。


するとそこで次男がまた一瞬顔を曇らせたのを見逃さず、
野菜売り場からいただいた袋でそのままマーライオンを受け止めることに成功。


このライオンの扱いであるなら、慣れたもんである。


しかしその日は一日中次男はマーライオンであった。


そして必死の対応にも関わらず、ひよこよさんが只今マーライオンである。


スーパーのみなさんには大変申し訳ない気持ちと、うつっていないことを心から、心から祈らずにはいられない日であった。



よろしくおねしゃす。



**いつも読んでいただき、ありがとうございます。
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もう次男もひよこよさんも元気で、
先日の一時帰国でハイターを買ってきたので、それを薄めて徹底除菌をし、
そのおかげか他の家族には被害が広がりませんでした。

ノロ怖い。
でもちょっと痩せて嬉しい。

これからもよろしくおねしゃす。**