「ひよこよサン…!
これは一体なんデスか…!」
げにげにー(ロシア人38歳)が言った。
指を指した先はひよこよさんのケータイから流れる『ゲゲゲの鬼太郎』であった。
長男次男は最近『ゲゲゲの鬼太郎』にハマっている。
初めは
『5歳3歳には結構刺激ある怖さなんやないか…?』
と思ったが、ほどほどの怖さが子どもたちの“怖いもの見たさ心”をくすぐったらしい。
この“怖いもの見たさ心”が発動される時、彼らは静かに真剣に集中するのだ。
揚げものをしている時や、掃除をしている時に最適である。
そしてプリスクールの帰り道に車内で子どもたちにゲゲゲの鬼太郎を見せていた時、長男が
「見てみて、鬼太郎だよ。」
とげにげにーに見せたのだ。
「ひよこよサン…!
これは一体…目が…体に目だけしかついていまセンけど…!!」
「この目玉、この男の子(鬼太郎)のパパやで。」
この目の人が男の子のパパ…!?
ママは…!?
どうなったラ目の人との間に男の子ガ…。」
「これは日本の伝統的な幽霊…みたいな。
上手く説明出来んけど、日本の昔からあるアニメやで。
ロシアにはどういう幽霊がおるの?」
「ロシアではこういう明らかに想像上の幽霊はいまセン。
少なくトモ、僕は聞いたことナイ。
でも“実在した歴史上の人物の幽霊が出る”と語り継がれテます。
例えばレーニンやスターリンの幽霊の目撃情報があったりデスネ。
〜通りに誰々の幽霊が出た…トカ。」
怖いわ。
ガチやん。
「ははは、ひよこよサン見てくだサイ。
目のパパがお皿をプールにしてマス。」
目玉のおやじのお椀風呂シーンも言い方ひとつで大分変わるんだなと思う帰り道であった。
よろしくおねしゃす。