『割れてんで、ここ。』
夫が窓を指して言った。
…ほんまや。
ヒビ入っとる。
いやいや、ここは十数階。
元気いっぱいな子どもたちに何かあっては後悔し切れない。
すぐに大家さんへ連絡だ。
「窓ガラスにヒビが入っとんのです。
補修するなり交換するなり、何か手立てはありますかい?」
「業者を探したるわ。待っててくれや。」
…待つこと3日。
「今日の14時に行くわ。」
業者が来るのかと思いきや、その日現れたのは手ぶらの『おでこにグラサン男』だった。
そして窓ガラスを見るや否や、
「…これは修理が必要やな。
修理屋を呼んだほうがええ。」
…それを3日前からあなたと話していたんだがな。
彼はそう言うと、満足そうにご機嫌なグラサンをかけて帰っていった。
『なんやねん』
という気持ちはもちろんある。
もちろんあるが、ひよこよさんはイライラを軽減する悟りを拓いているため、ダメージは少しだ。
(イライラをなくす悟りの境地→ここだよ。)
そしていつものその場しのぎ修理工さんを呼ぶ。
そして彼は言った。
「あーこれはやな。
完全に問題を解決するには窓ガラスごとの交換や。
せやけど見てみぃ。
ほら、これ二重窓やから。
割れてるの内側だけやから。
これ二重窓やからセーフや。
修理?いやいらんやろ、これ二重窓やし。
まだこのままでもいけるやろ。
ヒビだけやん、二重窓やし必要ないて。
よかったな、二重窓で。
ほな、またなー。」
やたら二重窓を強調して1分で去った修理工。
…業者を探すと言って探さずに手ぶらで来たグラサン、
修理をしない修理工。
ひよこよさんは今日1日、一体何に時間を費やしたのだろうか。
よろしくおねしゃす。
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まぁ二重窓ですし、たしかにすぐにどうにかなるわけではないんでしょう。
子どもたちには近づけさせない、を徹底してとりあえずテーピングをしておきます。
これからもよろしくおねしゃす。**