ひよ子の実家は 公団で、 どの棟も5階建ての、 だいたい同じような形をしている。
団地の敷地は広大で、 俗に言う マンモス団地の部類に入る。
どのくらいの マンモスっぷりかというと、 団地の敷地内に 団地の子供が通うための小学校があるくらいだ。
外周を走る分にはいいが、 車で中まで来ると けっこう大変なことになる。
中にある道路は 大概 一方通行になっていて、 見えている場所でも すんなり近づけない。
建物が似ていることもあり、 新米の宅配業者や 郵便屋さんは
大抵迷子になって、 住人に道を聞くはめになるのだ。
そんな風だから、 ちょっと知ってる人は 中まで来ることを躊躇する。
初めて足を踏み入れた人にとっては コンクリートの迷宮と化す。
10年以上前のこと、 家に 一本の電話が入った。
携帯も ナンバーディスプレイも無い時代、 受話器を上げてみると 姉の友達からだった。
そういえば姉は 友達に迎えに来てもらって遊びに行くんだといって、 さっきから身支度して 待っている。
こんな時間に どうして 電話なんかよこすんだろう?
私 「姉ですか? 少々お待ちください」
友人 「あ、 代わっていただかなくても いいんですが……」
私 「はい????」
友人 「 ここは、 いったい どこですか?(泣)」
わかりません!!(爆)
話によると、 気を利かせて 家の前に車をつけようと思ったら 思うようにたどり着けず、
携帯も無い時代なので 姉にどうやって家に近づけばいいかを尋ねるために 公衆電話を探して回り、
似たような建物の間をひた走った挙句 やっと公衆電話を見つけたはいいが、
我が家からどのようにこの電話にたどり着いたか まったく見当がつかない状態だったらしい。
姉 「団地の外で 車停めてくれればいいよ、 て言ったのに!(呆)」
人の忠告は、 聞いておくものですね。
ちなみに、 周りに見えるものを聞き出して、 我が家まで来られる道を 教えてあげましたよ。
友人 「外に出たとき、 ほっとしたぁあ~!!
・°・(ノД`)・°・」
(気の毒な……)。