空気を読め① の続き
無事に自己紹介を終えて、ようやく会話が弾みだした(ふう…)。
男性陣は 夫さんと Aさん、 Bさん、 Cさん。
女性陣は 私と Dちゃん、 Eちゃん、 Fちゃん の 合計8人だ。
席順もこの通りに座っていたので、私の周りは 知り合いだらけだ。
私と夫さんは 厳密に言うとコンパに参加しているわけではないので
この席順は 逆にありがたかった。
料理は宴会コースを頼んであったので、やがて鍋が運ばれてきた。
8人に対して 鍋が2つ。 必然的に 1つの鍋を 4人でつつくことになる。
だれも鍋をよそおうとしなかったので、とりあえず隣にいた Dちゃん の小皿に 適当に盛り付けた。
Dちゃんの向かいには Aさん。 …… Aさん のところまでは 手が届かないな…。
私 「ねえごめん、 Aさん の器、取ってくれる」
夫 「あ、はいはい」
私 「夫さんのも」
夫 「あ、ありがとう」
その様子を見ていた 向こう側の端のほうで、なにやら会話があったらしい。
Fちゃんが、突然すっとんきょうな声をあげた。
Fちゃん 「えっっ!?あの二人、付き合ってるんじゃないの!?
違うの!?」
Cさん 「えっ、付き合ってんの!?」
なにごとかと思ってそちらを向くと、
Fちゃん 「ひよちゃん!夫さんと、付き合ってるんじゃないの!?」
はいーーーーー!?
私 「え、付き合ってるハズ…だけど……。……違うの!?」
夫 「付き合ってるよ(しれっと)。」
Aさん 「なんだ おまえら付き合ってるんじゃないのか!?」
Dちゃん「ひよちゃん?どうなってんの!?」
Eちゃん「結局どういう関係なの?付き合ってるんでしょう?」
私 「うん、付き合ってる。大丈夫、大丈夫。…でもなんで こんなハナシになったんだ?」
自分たちを除いた6人が パニクってるのを見て、キョトン顔をしている人たちがいた。
Bさん と Cさん だ。
Cさん 「いや…、ひよ子さん と 夫さん が仲よさそうだから、
『あの二人が知り合い (で開かれたコンパ) なの?』 って 聞いただけなんだけど…」
申し訳なさそうに説明してくれた Cさん は、 「ていうか夫さん、彼女いたんスね」 とつぶやいた。
……うちらの関係を、知らなかったってこと?
Aさん 「こいつら、付き合ってるんだよ。 オマエたち 聞いてなかったの?」
Bさん・Cさん 「はい…」
さすがの Aさん も 呆れ顔だ。
夫さんが彼女持ちだと思っていなかった二人は、単純に4対4のコンパだと思わされていた形になる。
私 「そーいうのは ちゃんと最初に言っておかないと駄目じゃん!!」
夫 「そう?別に、あえて言わなくてもいいでしょ?」
私 「万が一、誰かが 私のこと 気に入ったりしたら、話がややこしくなるでしょ!?」
夫 「大丈夫、大丈夫!! そんなことないから!!」
コンパで私を見初めたのは、
どこのどいつだあぁーーー!!!
ふつう、主催者がカップルだった場合って、あらかじめみんなに言っておきませんか…?
言わない場合もあるかもしれないけど、私の友達はみんな夫さんに会ったことがあるし、
Aさん だっているんだから、知らない人には言っておくべきでしょう……。
無駄に場を混乱させた自覚の無い 夫さん は、おいしそうに鍋をほおばっていた。
だからさ、もっと周りを見てさ、空気を読みなさいよ……。ねえ……。