前にも書いたが、父はひよ子のお弁当も作っていた。
ひよ子のお弁当は会社で一緒に昼休みをとる子達の間でも話題で、
周りから「お父さんの愛」と呼ばれていた。
ところで、父の実家がある地方は果物が盛んに作られる土地柄で、
秋になるとほうぼうの親戚から箱で果物が届く。
山ほど果物があるというのに、毎日毎日お弁当にはキウイ。
2パック食べても、3パック食べても、キウイ、キウイ、キウイ。
私 「巨峰とか食べなくていいの?だいぶ前に届いたけど、まだ食べてないじゃん」
父 「だって、まだキウイ残ってるもん」
買うな!!!
と思うのは、私だけ?
私 「まだりんごだって1箱あるんだよ。近所に配るところ、もう無いんでしょ。
私のお弁当に入れればちょっとずつでも減っていくじゃん」
父 「今のパックが終わっても、ちゃんと甘くなるまで時間をあけられるように
昨日も1パック買ったから、まだしばらくキウイあるもん」
果物が届いた時点で買うのを止めい!!!
毎日毎日のお弁当には本当に感謝してるけど、なんかさ、ちょっとさ…。
そのうち 粒が勝手に房から外れて、見るからにしぼんでる 巨峰 とか、
もしくは 皮に小じわが出てきて、シャキッとした歯ごたえから
サク…っとした舌触りになった りんご とかがおべんとうに顔を出す。
ちなみに父は、自分が食べるには気にならないらしいので、
ひよ子の訴えは却下らしい。
やがて、お昼休みに果物を一口食べて、ひよ子がつぶやく日々がやってくる。
私 「おとうさん…。
愛が腐ってるよ……」
この一言で、笑いがとれるからいいんだけどね。