『冬草』に寄せて

『冬草』に寄せて

母 酒川ふみが同人誌『冬草』に投句した俳句の中から一部ご紹介(俳句について無識のため解釈できず)一部重複している句もあります。

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    合歓閉ぢて

                   酒川 ふみこ

 

おもひ出を探す夏野のつきるまで

蛍火に蹤いて身に添ふ水の音

合歓閉ぢていつかやさしさとり戻す

夏野来て人には言へぬことおもふ

蝉の声降る森に身を預く

悪口もときには楽し遠き雷

あえかなる花合歓に風過りては

玫瑰や沖より暮るる凪の間を

 

 

冬草 十月号 第三十九巻 第十号(通巻四四六号)より