外山滋比古 死去の文字が目に飛び込んだ。

私自身の文学部時代(医学部の前)の恩師の先生の恩師に当たる方であるし、

受験生なら誰でも知っているだろう。

 

私はいつも自分のカバンに本を一冊投げ入れておく。

時間の隙間の手持ち無沙汰を補うためだ。

 

読んで面白くなかったものはポンとコンビニのゴミ箱に捨ててしまうし、

読後感が良かったものは書棚に収めておく。

 

丁度、デコちゃん本を読み終えたところだった。

 

著者の斎藤明美さんはデコちゃんの義娘

(津田塾出→高校教師→作家・記者)

 

デコちゃんとは女優の高峰秀子さん。とっくの昔に亡くなってはいるが私のアイドル。

映画『二十四の瞳』の大石先生で胸を打たれてからずーっとファンだ。

『カルメン』の真っ赤な口紅女では、これがあの大石先生なのかと目を疑り、

『浮雲』では、まぁ普通のお人ではなかった。

 

それに1ヶ月に20~30冊の読書をする随筆家でもある。

 

最盛期ですっぱり引退してしまった料理が得意な大女優

 

最近、子どもが読んでいた外山滋比古の文章の良さに改めて感銘を受けて、たまたま1冊しのばせていたところだった。

 

 

外山滋比古さんの文章は本当に分かりやすい。

 

ことばや物の見方が奥深い。奥深いことを誰にでも分かるような平易な文章で綴る。

難しい言葉を使って難しそうに書く物書きと違って、本当の賢さを学ぶことができる。

だから、学生や受験生のバイブルなのだろう。

 

 

「マイナスがプラス」という章では、

外山滋比古自身、学生時代、入学試験を三回受けて、二度失敗した、と打ち明けている。

でも、若い頃に抱いたその対抗心や劣等感により日本で最も優れた言語学者となった。

 

子育てに邁進している失敗を恐れるお母さん方も共感できる内容が多い。

 

転ぶことなく、失敗もなく、エリートコースを行く無傷の人が三十年もすると疲弊してきて、

その間にただ歩を進めてきた自分が残ったにすぎないと語る。

頑張ることの意義を改めて知ることができる。

 

ことば、思考、生き方・・

 

そういう物事の本質を日本人に示し続けてくれた。

 

―巨星逝く―