今日はとっても幸せな日。二人の門出を祝うよき日。
彼女は真っ白なウエディングドレスを着て、幸せそうに笑うのでしょう。
あれは、半年前のこと。友達とラーメンを食べながら(宮益坂のタンタン麺屋)、
久しぶりのメールとその内容に、なぜか笑いがとまりませんでした。
最後に思いを伝えたのはいつだったかなあ。「おれは何年でも待つつもりだよ。」
いつもならあきれて笑っているのに、その日の彼女は少し違っていました。
相手のこともよく知ってます。背が高くてまじめで、春から警察官。
きっと彼女は彼のもとで安心して、幸せな母親になるのでしょう。
「伝ようか迷いましたが、伝えます。でも式には呼べそうにありません。」
うれしさと悲しさと怒りでわけがわかんなくなったけれど、最後に残った感情は感謝でした。
窓のない部屋で、ぼくは一人考えます。いろいろな思いが胸をよぎります。
外は雨が降ってるようで。その音に ぼくは ただ耳をすますのです。
ぼくは車を走らせました。夜の港、スーツを着て。
見れなかった真っ白なドレス。助手席には彼女が好きなひまわりの花束。
(※バラが売り切れだったため)
新郎と新婦は幸せそうにキスをして、新しい門出を祝ってもらいます。
一方、こちらは一人雨の中、このB級ドラマを終わらせに車を飛ばします。
雨の中ぼくは港に車をとめます。もう式は終わったころでしょう。いい思い出なんてそんなになかったけど。
ぼくがはじめて愛した人。一息ついて、幸せな未来に思いをはせているんでしょう。
ぼくは、海に向かって、あなたへの思いを
感謝の気持ちを
このひまわりの花を
エンドロールを想像して
あなたの好きだったひまわりの花を
投げた! ありがとう ありがとう ちくしょう
投げた! ありがとう ばかやろう ありがとう
投げた! おめでとう おめでとう おめでとう
涙を流しながら考えました。まさか彼女はぼくがそんなことしているとは思わないでしょう。
はじめから、ネタにするつもりでした。仲間となべをかこみ誇らしげにぼくは話します。
笑いたければ笑うがいいさ。
友達の女の子が一言いいます。
「それ、不法投棄じゃん。」
The End