舞台は精神病院。
テーマや舞台背景から「カッコーの巣の上で」という作品と比較される事が多いが、
この作品は原作がノンフィクションである。
そして、私が映画に強く関心を持つキッカケとなった作品。
主人公スザンナはある日薬物大量服用し、自殺未遂を起こして精神病院に収容される。
そこで病棟のボス的存在のリサと出会い、自らの進むべき道を選択するというお話。
(・・要約し過ぎて面白さを全く伝えられない。)
舞台が精神病院なだけに異常者を想像するかもしれないけれど、
本作は共感出来るところが沢山あります。
専門家でなければ精神を病むという定義は難しいけれど、
現代社会では誰しも悩みを抱えているもの。
病院の患者と私たちはなんら明確な境はないと思います。
人間関係や社会で壁にぶつかり、
苦悩した人にとっては本作の登場人物の心の動きに共感できる部分があると思います。
それと、内容以外にも惹かれるのは演技力と音楽。
リサを演じるアンジェリーナ・ジョリーの派手で繊細な演技には魅力を感じました。
当時新人だったけれど、本作で3つの賞を獲ったそうです。
スザンナ演じるウィノナ・ライダーは原作に惚れ込み映画権を買い取って製作総指揮を兼任したが、
まったく注目されず「この役(リサ)を演じれば誰だってオスカーを獲れる」と僻んだ発言も有名ですね。
だけど、ウィナノ・ライダーの吸い込むような目や細やかな表情は、
やはり原作に惚れ込んだだけあってスザンナになりきっていると感じました。
重いテーマでも、思春期の少女たちの友情の芽生えを取り入れ、とても素敵な作品に仕上げていました。
ただ見るだけではなく、深読みしていけばどんどん味の出てくる作品です。
後、本編で使われている曲がとてもいいです。
ペトゥラ・クラークの恋のダウンタウンはスザンナが同じ病棟の患者を励ました際に歌った曲。
切なさの中にも陽気さが含まれていて、とても感慨深いものでした。
「17歳のカルテ」歳を重ねる事に感じ方が変わる何度観ても楽しめる作品です。