「化石の森」

いつかのいつかがついに来た。

以前近くのダムを訪れたとき

ついでに訪れようと思ったものの期間限定公開だと知り"またね"をしていました。

時は過ぎ、ふうわりと菜の花の香りがその季節を知らせてくれました。

正直菜の花はもう一週間ぐらい先かなという具合ですが、菜の花畑と悠久の月日を感じさせる石灰藻球化石群の景観は、歴史浪漫を感じさせます。

化石の森はさながら西海の石兵八陣。

人の丈を超える巨石たちが、ところ狭しとい並びます。

それにしても、所々に何かの遺構がありまして…

調べてみると、昔はここに"西海楽園　祈りの里"という巨大テーマパークがあったそうです。

七釜聖観音像という高さ40mを誇る巨大金色仏像をランドマークに、極楽浄土の仏教世界を現世に顕現させたといっても過言ではない異世界が広がっていたそうです。

ケーブルカーの発着駅、プールにボート遊び場、バーベキュー場などファミリー向けの思い出の地。

かつての五百羅漢堂や十二支廟も、星霜積もり森の中。

祈りの滝も流れは絶えて、観光ホテルも破屋と果てる。

結局、最後まで残っていたのは地球が造り上げた石灰藻球化石群というのもどこか感傷的です。

かつての繁栄も熱狂も

今となっては泡沫の夢

2024.3.18 長崎西海楽園