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<第5話 絶望から幸せの絶頂期へ!「絶対にいいお母さんになってみせる!」>
🌿この物語のはじまりは、こちらからお読みいただけます 。
👉【プロローグ】わたしがわたしに戻る旅
👉【第1話】 いい子でいれば愛されるーー“ 無敵の幼少期 ”
👉【第2話】 私はいらない子?――“いい子”を演じたその先に
👉【第3話 】 何をしたいのかわからない・・・“自分で決められない私”が壊れていったあの頃
👉【第4話】うつを克服し、やっと自由を手に入れた!世界の果て南極へ
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北海道から実家に戻ると、現実が待っていました。
しばらくは短期バイトをしながら
「これからのこと」を模索していましたが、
相変わらず先は見えず、「やりたいこと」も浮かばないまま。
同級生たちは着実にキャリアを積み、
堅実に大人として生きている。
それに比べて、私は――
また置いていかれている気がしていました。
「一年間自由にさせてもらったんだし、そろそろ落ち着かないと。」
そう決めて就職活動を始め、
運よく大手企業の契約社員として採用が決まりました。
再就職が決まって、両親は大喜び。
私も「これでいいんだ」と思おうとしました。
その矢先。
妊娠がわかったのです。
嬉しかった。
心から、嬉しかった。
主人とは、南極に行く前からお付き合いしていました。
お互いの実家にも挨拶を済ませており、いずれ結婚するつもりでした。
ただ、順番が逆になってしまったことで
父はきっと反対するに違いない。
でも、
同じ女性である母なら
きっと味方になってくれるだろう。
そう信じて疑わなかったのです。
けれど、母から返ってきたのは
「お父さんになんて言えばいいの?!」
「だから言ったのに!」
「いつかこうなると思ってた!」
という
うろたえと怒りだけでした。
案の定、というか想像以上に父は怒り狂い、
一切聞く耳持たず、一方的に彼を責め立て、
「二度と顔を見せるな!」と彼を家から追い出しました。
私は恐怖で頭が真っ白になり、思考停止に。
両親から与えられた選択肢は「赤ちゃんを諦める」の一択。
その場の空気はこれまでにないほど重く、
私は恐怖で、誰の声も自分の声も
聞こえなくなっていました。
新しい職場の入社式まで、あと1週間というタイミングでした。
南極や北海道で感じたあの自由や自信、
自分の輪郭がくっきりしてきたあの感覚は、あっという間に遠ざかり、
私はまた、ぼんやりとした透明人間に戻っていきました。
今思えば――夫と赤ちゃんと一緒に逃げてもよかったのです。
でも、その選択肢は当時の私には浮かびもしませんでした。
「堕ろすしかない」と両親に言われ
息が止まりそうになりながらも、
どこかで私は、
「親に従うのが一番正しい」と
まだ信じていました。
自分の人生なのに、
自分で決めるという発想すら、
この時の私はまだ持てていなかったのです。
そして、
両親を悲しませないこと。
それが私にとって最優先でした。
手術の日。
なんの感情もありませんでした。
涙も出ず、
手術後に自分の口から出た言葉は
「おなかすいた」でした。
そんな自分を
もう一人の自分が冷たく見ていました。
――最低。
そう罵りながら。
そして何事もなかったかのように、
社会人生活が始まりました。
その会社で3年半、営業事務として働き、
その間に父を説得し、私たちはようやく結婚できました。
結婚後も仕事を続けるつもりでしたが、
当時はまだ残業も当たり前の時代。
1年以上経っても自然妊娠は叶わなかったため、
妊活に専念するため退職を決意しました。
退職から半年後、
赤ちゃんを授かったことがわかった日は
夫と抱き合って喜びました。
今度こそ、堂々とお母さんになれるんだ!
あの出来事をきっかけに、
私は初めて
「親の言うことが、すべて正解とは限らないのかもしれない」
と、うっすら気づき始めました。
今でも、
産んであげられなかった
あの子のことを思うと胸が締め付けられます。
でも、この後悔を
「なかったこと」にも
悲劇や美談にもしたくない。
あの子は
親の呪縛に気づかせてくれた
私の人生のかけがえのない一部。
私の人生を
“親のもの”から“自分のもの”に戻すために
来てくれたんじゃないかと思っています。
お空に返した命の分も愛情いっぱい注いで、
絶対に立派ないいお母さんになってみせる!
あのときの私は
「やっと」という安堵と、
夢と希望でいっぱいでした。
けれど、
人生はここからまた大きく動き出すのです・・・。
次回第6話
「こんなはずじゃなかったのに…崩れ落ちた理想の母親像」
明日21時に更新予定です。
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