<高校野球練習試合:桐光学園7-0浦和学院>◇1日◇浦和学院グラウンド

 昨夏甲子園で大会新記録の1試合22奪三振をマークした桐光学園・松井裕樹投手(3年)が、今春センバツ優勝の浦和学院(埼玉)を相手に、毎回の18三振を奪い1安打無四球で完封した。

 ベストメンバーをそろえた浦和学院打線を全く寄せ付けなかった。4回1死後、3番山根に左前安打されたが、許したヒットも走者もこの1度だけ。最速147キロの直球とスライダー、チェンジアップなど全ての球種がさえ、7回から9回にかけては7連続奪三振もマークした。

 ネット裏には6球団(阪神、DeNA、日本ハム、ソフトバンク、楽天、オリックス)約20人のスカウトが視察。多数の報道陣、ファンも集まった。

 [2013年7月1日19時58分]

<高校野球練習試合:桐光学園7-0浦和学院>◇1日◇浦和学院グラウンド

 昨夏甲子園で1試合22奪三振の大会新記録をマークした桐光学園(神奈川)松井裕樹投手(3年)が、今春センバツ優勝の浦和学院(埼玉)との練習試合に先発。

 1安打無四球、毎回の18三振を奪う快投で完封した。浦和学院のグラウンドには阪神、DeNA、日本ハム、オリックスなど約20人のスカウトが集結。多数の報道陣、ファンも詰めかけた。試合は桐光学園が7ー0で快勝した。

チーム123456789計

浦和学院 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
桐光学園 0 1 0 0 0 6 0 0 × 7

【松井1回】KK

1番竹村 3-2からスライダーを打って左飛

2番贄 3-2からスライダー見逃し三振

3番山根 0-2からスライダー見逃し三振。3者凡退、2三振を奪う上々のスタート


【松井2回】KK

4番高田 2-2からスライダーで空振り三振

5番木暮 3-1から直球で右飛

6番斎藤 2-2から直球で空振り三振

この回も3者凡退、2三振を奪った

桐光学園は2回裏無死二塁から5番松井の適時打で1点を先制


【松井3回】KK

7番西川 2-2からチェンジアップで空振り三振。5個目

8番小島 2-2から直球で中飛

9番服部 1-2からチェンジアップで空振り三振。6個目

3回までパーフェクト、毎回の6K


【松井4回】K

1番竹村 0-2からスライダーを捉えたが右飛

2番贄 1-2から外角低め直球で空振り三振。7個目

3番山根 1-1からスライダーをジャストミートされ左前安打

4番高田 0-1から2球目スライダーを空振り。山根が二盗失敗。

4回まで1安打無失点、毎回の7K


【松井5回】K

4番高田 1-0から直球で詰まらせ三ゴロ

5番木暮 初球直球で中飛

6番斎藤 3-2からスライダー見逃し三振。8個目

5回まで1安打無失点、8K


【松井6回】KKK

7番西川 0-2からチェンジアップで空振り三振。9個目

8番代打前田 0-2からチェンジアップで空振り三振。10個目

9番服部 1-2からチェンジアップで空振り三振。11個目

6回まで1安打無失点、毎回の11K

桐光学園は4番山田の2点二塁打など6安打集中、6点を奪った


【松井7回】KK

1番竹村 初球直球で中直

2番代打津田 1-2から外角高め直球で空振り三振。12個目

3番山根 0-2からワンバウンドのスライダーで空振り三振。13個目

7回まで1安打無失点、毎回の13K


【松井8回】KKK

4番高田 1-2からワンバウンドのスライダーで空振り三振。14個目

5番木暮 1-2から内角直球見逃し三振。15個目

6番代打佐藤 1-2からチェンジアップで空振り三振。5者連続で16個目

8回まで1安打無失点、毎回の16K


【松井9回】KK

7番西野 1-2からチェンジアップで空振り三振。17個目

8番代打伊藤 0-2から直球で空振り三振。7連続で18個目

9番服部 1-0から直球で右飛。試合終了

9回を投げ1安打無失点、毎回の18K

 [2013年7月1日20時1分]

<高校野球南北海道大会:北海道尚志学園5-3札幌第一>◇1日◇札幌地区代表決定戦◇札幌円山

 昨年夏の甲子園出場校、札幌第一が北海道尚志学園に3-5で負け、地区予選で敗退した。3-0で迎えた9回表に長短打4本を浴びて一気に5点を奪われ逆転。その裏を打者3人で封じられた。秋から3季通じての地区敗退は19年ぶり。菊池雄人監督(41)は「勝たせてあげられなかったですね。前のチームの残像が重かったのかな」と肩を落とした。

 [2013年7月1日20時37分]

<高校野球練習試合:桐光学園7-0浦和学院>◇1日◇浦和学院グラウンド

 今春センバツ優勝の浦和学院(埼玉)が松井裕樹投手(3年)擁する桐光学園(神奈川)と対戦し、完敗した。

 打線は松井の前に1安打で、18個の三振を奪われた。森士(おさむ)監督(49)は「敗戦の将、弁を語らず」と小島部長を通し、一言だけ残した。

 [2013年7月1日21時42分]

<高校野球練習試合:桐光学園7-0浦和学院>

 怪物が日本一をねじ伏せた。今秋ドラフトの目玉、桐光学園(神奈川)・松井裕樹投手(3年)が1日、さいたま市内で行われた浦和学院(埼玉)との練習試合に先発登板。今春センバツ優勝校を相手に1安打無四球、毎回の18奪三振で完封勝利した。わずか108球の快投で、走者を1人しか出さない準完全試合。自己最速タイとなる147キロの直球とチェンジアップのコンビネーションで日本一の打線を手玉に取った。

 松井の投球に日本一の打線が手も足も出なかった。今春センバツ決勝と同じオーダーを組んだ浦和学院を相手に、許した安打はわずか1本の準完全試合。4回に左前打で出した走者も二塁で盗塁死に仕留め、打者27人で試合を終わらせた。

 この日のカギはチェンジアップだった。6回2死。9番打者・服部将光外野手(3年)に対し、ファウルでカウントを稼ぎ、1ボール2ストライクに追い込んでからの4球目。右打者の外へ鋭く逃げるチェンジアップで、空を切らせた。「よっしゃー!」と叫びながらベンチへ戻る左腕からは充実感が漂っていた。

 今春から投球の幅を広げるために磨き上げた変化球で打者を惑わせた。「消える」と評されるスライダーと逆方向に曲がる変化球を使うことで、打者は狙い球を絞れない。2日前の練習試合で6回15三振を喫した報徳学園(兵庫)のある打者は「チェンジアップがあると内にも外にも両方を意識させられるので厳しい。追い込まれるとどちらを狙えばいいか、頭が真っ白になる」と漏らした。

 チェンジアップをより効果的な球にするための探求心も強い。5月下旬の熊本遠征では、この日対戦した浦和学院と同じ宿舎となった。交流を深めたセンバツV左腕・小島のチェンジアップの握りを確認し、インコースの攻め方を聞き出した。松井は「どうしたら球数を減らせるか考えてるんです」と、1学年下の投手からも貪欲に吸収した。

 課題の球数も克服した。6回以降の球数はわずか39球。全て4球以内で三振を奪い、10個の三振を含む12アウトを取った。松井はこの日コメントを残さなかった。野呂雅之監督(52)は「配球の組み合わせなどいいパターンを確認できた。(浦和学院も)ベストに近いメンバーで練習試合を3、4試合やる以上に得たものがある」と手応えを口にした。

 この日の練習試合は6月上旬から約1カ月続いた強化合宿の総仕上げだった。中1日の登板で疲労はピークに近い。それでも7日に開幕する神奈川大会で、準決勝、決勝の連戦を想定した大一番で、最高の投球を見せた。怪物の夏は、誰よりも長くなりそうだ。

 [2013年7月2日7時9分 紙面から]