私さ
きっと
たくさんの、勘違いをしてたの
あの頃のあの人じゃないのにね
仲良くなり始めた頃にしてくれたこと
キスの感覚
映画の感想
私への想いが伝わるようなこと
すごく似ていたから
あの時にあの人を大切にできなかったぶん
大切にしていけば
きみの気持ちが変わることなく
ずっと続くと信じてたんだよ、たぶん
きみがバイトになって
父親が倒れて、他界して
わたしはわたしなりに
たくさん我慢して
その分
とっても寂しかったのね、たぶん
我慢してる間はさ
してくれたこと、甲斐甲斐しく思い出したりしてさ
会ってる時は
楽しく過ごせるようにとか
お菓子やジュース買うとかさ
気持ちよくさせてあげようと思ったりさ
でもさ
そんなの段々不満溜まっていくよね
だって
ギブアンドテイクではないんだもの
ギブギブギブ。
これは
愛ではなく恋なのだから
見返りを求めるようになっちゃったよ
それとね
仲良くなり始めた頃
きみは
初めてと言うことが多かった
だから
きみの初めてをたくさんしたいと思っていたんだけどさ
奥さんとは
約20年一緒にいるわけで
そりゃ
一通りのことしてきてるし
あの頃のあの人とは違うよね
あの頃は
まだ
20代前半だったし。
あの人にね
あのあと
うん。
断片的だけど
原チャとカブで環七走ったこととか
最後の方で
ディズニーシーに行ったこととか
覚えてたりする?
って送ったの
うん。
耳掃除するの大好きだった。
わたし
すっかり忘れてた。
彼に
耳掻きしてもらうのが
史上最強に気持ちよかったの
それでね
わかったの
わたしは
彼からたくさんのものを与えて貰っていたのに
それにあぐらをかいていて
彼は
私の前から
突然消えてしまった
その彼にきみは似てると思い込んで
彼を大切に出来なかった分
きみを大切にしていたんだ
だから
出逢った頃のきみがしてくれたことは
あの頃の彼のように
ずっと続くと信じていたのだけれど
それは私の願望に過ぎず
人の気持ちなんて
やっぱり
変化してしまうものなんだよね
切ないけれど。
終わったものを
諦めきれない自分が
行ったり来たりして
同じところをぐるぐるしてるんだ