歴史を変える海軍の力 | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

 

「アメリカが畏怖した日本 真実の日米関係史

渡部昇一(わたなべ しょういち 1930~)

株式会社PHP研究所 2011年6月発行・より

 

 

 

日本海海戦において、ロシアのバルチック艦隊は戦艦八隻を含め、ほとんどすべてが沈められたか、捕獲された。

 

 

 

わずかに逃げたのは、ウラジオストック港に入って廃棄されたような軍艦だけだ。

 

 

 

日本の連合艦隊で沈んだのは波で転覆した魚雷艇三隻にとどまる。

 

 

それまでの西洋の歴史にも東洋の歴史にもない、圧倒的な海上の勝利を日本は収めた。

 

 

 

 

白人は海戦について、文明や国家における盛衰の分かれ目というような感覚をもつ。

 

 

 

 

 

たとえば紀元前四八〇年、サラミスの戦いでギリシャ側が勝ったら、二度とペルシアは地中海に出てこなかった。

 

 

 

 

一五七一年、レバントの戦いでキリスト教国の連合艦隊がトルコの艦隊をつぶしたために、イスラムの海だった地中海がキリスト教徒の海になった。

 

 

 

また大航海時代のさきがけとなったスペインは海上帝国として君臨したけれども、一五八八年、スペインの無敵艦隊がイギリスに敗れると一流国から滑り落ち、イギリスが世界の海を支配する地位にのぼった。

 

 

 

アメリカ海軍の軍人だったアルフレッド・マハンの 『海上権力史論』 (一九八〇年=明治23年)は、海軍力で歴史の流れのすべてが決まるというようなことを述べているが、

この本が当時、ベストセラーだったこともあって、

人類が体験したことのない完璧な海上の勝利を日本海軍が成し遂げた事実に、

アメリカのリーダーたちは 「アッ」 と叫ぶようなショックを受けたのではないか。

 

 

 

 

昨年11月22日 青葉台公園(埼玉・朝霞)にて撮影