☆本プロからの移行☆


藤原伊織作品二冊目です。乱歩賞と直木賞のダブル受賞作品ということもあり、最初に読んだ「てのひらの闇」 が非常に良く好みぴったりだったこともあり期待の大きかった作品。

期待裏切られませんでした~。
ミステリーというよりハードボイルドになるのでしょうか、何と言っても主人公の中年アル中バーテンの島村がとっても格好いいのです。
もちろん一般的に言っても客観的に見ても決して格好いいなんていえる状況じゃないのですが、彼の人との向き合い方接し方は惚れ惚れするほど格好いいです。

優子や塔子が好きになったの解ります! 

あ、でも彼女達と違って彼一人で居る時の姿や彼の心情を知っている私の方がもっと惚れちゃってるかもしれない!人間的にも、異性としても、ものすごい魅力的な男性なんですよぉ~。

ストーリーは、アル中の中年バーテン島村が、新宿中央公園にて爆発テロ事件に出会う。犠牲者の中には彼の元恋人と全共闘に係った親友がいた。過去を持つ彼に容疑がかかり追われる身となる。そんな彼の元を訪れるヤクザの浅井や元恋人の娘。過去と現在、絡みあった人間関係、そして真犯人。

島村もすごく魅力的なのですが、ヤクザの浅井も大変魅力的!

二人とも世間一般のはみ出しものだけど、背骨の通っている真っ直ぐな人間で読み終わった今も涙出るほど愛おしい。
惹き付けられる登場人物と事件の割にサラサラと読めるストーリー。

一気に読めてしまう。決してラストはハッピーエンドとは言えないのでしょうが、読後感は悪くない。

最後に、島村のあのホットドック・・どうしても食べてみたい。ビールのつまみにあのホットドック・・願望。

今後もずっと追っていきたい作家さんとなりました。