夜。

さっそくN美からもらってメモを片手にメッセンジャーをDL。

N子のHNを友達登録に追加し

『N美さんからHN教えてもらったので

登録しときます。Y』

とメッセージをつけて登録完了。

顔を知った人とチャットをするので少しドキドキしながら

1時間ぐらい待つとN子がオンラインに


『こんばんは』


『こんばんは』


『登録してくれてありがとう』


『いえいえ、またN子さんとも話ししたかったし』


『ほんと?嬉しいな』


『今日N美さんにN子さんがまた話したがってるって聞いて

ボクも嬉しかったですよ』


『そっか。チャットはよくするの?』


『ううん、前にちょこっとしてたけど最近は全然。N子さんは?』


『そうなんだ。私はパソコン買ってすぐ始めたから半年ぐらいかな』


『じゃ、知り合いもたくさんできた?』


『うーん、いつも行くとこ決まってるからね。そのヒト達とは仲良いけど。

N美がいるとこね』


『こないだのオフ会のメンバーですよね?』


『そそ。でも、もうオフ会はいいかな・・・』


『え、そうなの?なにかあった?』


『N美のことは聞いた?』


『ああ、チャットの部屋主催してる人と付き合ってて、別れたというのは

聞きました』


『そっか、もう話してるんだ。ほんと何でも話すんだな^^』


『ですね~。N美さんがほとんど話してるけどw』


『あは^^Y君話しやすそうだったもん。年下なんだけど落ち着いてるし』


『ま、落ち着いてはいるかな。。。年より上に見られるし』


『23だっけ?』


『そそ、N子さんは?』


『N美と同い年だから29だよ』

『もう、おばちゃん・・・』


『ええ、そんなことないですよ。肌も綺麗だし、色白だし』


『ま、肌は白いって言われるけど・・・Y君色白の人好きなんだよね?w』


『あ、N美さんから?w』


『うん、年上で色白、ぽっちゃり系が好きなんでしょ?w』


『げ、バレテルw』


『だから、N美が「Y君はN子みたいなのタイプだよってw」』


『まぁ・・・確かにストライクだけどw』


『え、そうなんだ^^嬉しいな~』


『N子さんは?どんなのがタイプ?』


『うーん、あんまりないけど。清潔感があって優しい人かな・・・』


『年下は?』


『付き合ったことないよ。年上か同い年ぐらいか』


『そうなんだ。ボクも年上好きって言ってるけど、年上の人とは出会いが。。。』


『N美は?』


『あーN美さんかぁ。。。』

『綺麗で、まぁスタイルも良いほうだけど、どーもピンとこないというか・・・』


『そうなんだ。N美はY君のこと気があったみたいよ』

『でも、全然脈ないし。Y君のこと紹介してくれって言う後輩に紹介したら

あっさり付き合っちゃうことになっちゃったって」』

『その時はショックだったみたいよ』


『そうですか・・・。彼女からもちょっとそんなことを聞いたので

申し訳ないというか、なんというか・・・。でも、全然N美さんの気持ち気が

着かなくて・・・』


『ほんと鈍感ね・・・w』

『でもさ、今の彼女とはすぐ付き合うことになったんでしょ?

ほんと不思議だよね』

『タイプだったの?』


『まぁ、色は白いんですけどw』


『色白な人ほんと好きなんだね^^』


『ですね・・・。彼女の場合は向こうが積極的だったので

分かりやすかったというか・・・。強引に押し切られた形で

付き合う事に・・・』


『強引に?襲われちゃったとか?w』


『まぁ、それに近いというか・・・』


『ええ?それに近いって?詳しくw』


『2回目にふたりっきりで会うことになったんですけど

映画に行こうという話になりまして』


『ウンウン』


『で、映画を観終わって。軽く飲みに行こうかってことになり

居酒屋でふたりで飲んでたんですよ。んでまぁ、普通に話をしてたんだけど

彼女も酔っ払ってきて、過去の話をし出したんですね』


『過去の話?昔付き合ってた人の話とか?』


『いや、そうじゃなくて・・・。

N美さんには言わないでくださいね』


『うん。もちろん』


『レイプされた話・・・』


『えっ?レイプ???』


『うん・・・中学生の頃の話なんだけど。先生に・・・』


『そうなんだ・・・かわいそうに・・・』


『んで、その話をしながら泣き始めて・・・』


『あらら・・・困ったでしょ?』


『いや、その時は困ったというよりも、不思議と冷静に聞けてましたね』

『何も言えなかったのもあるんだけど、泣き止むまでほっといたし』

『なんで、まだふたりきりで会うのが2回目なのに

こんな話を?とは思ったけど』


『そうだよねぇ・・・。居酒屋で泣いてるのをほっとくのも

すごいけど・・・。なんか彼女にあったんじゃないかな?

この人なら話せるとか』


『そうなのかなぁ・・・』


『んで、その話をしたあとに?襲われたってのは?』


『ああ、彼女もしばらくすると落ち着いて、

居酒屋を出た後なんですけどね・・・』



「こないだは有難うね」

N美はタバコに火をつけながら口を開いた。

ボクはその煙から逃げるように身体を引く。

N美に恋愛感情をもたなかった理由のひとつが

タバコを吸うということだった。


N美はボクのそんな態度に気づいたのか

「あ、そうだ。嫌いだったよね」

と言って灰皿にタバコを消そうとする


「いや、いいですよ。また吸い始めたんだ?」

N美はしばらくタバコをやめていた筈だったので意外だった。


「うん、やっぱり止められなくて」

灰皿に消されたタバコを見つめ少し寂しそうに笑うN美



「実は昨日男と別れたんだ」


「え、そうなんですか?」


「うん、こないだN子と会ったでしょ?

次の日チャットの仲間と会ったんだけど

その中にカレシいたんだ」


「へぇ、ネットで知り合ったんだ?」


「そそ、彼が主催してたチャットルームでね。

そこで彼とも、N子と会ったの」


「どうして別れたんですか?」


「うーん。まぁ、良くある話よ」

「他にもおんながいたの」


「・・・」


「まぁ、遊びだったんだろうけど。私そういうの我慢できないから

分かった時点でさようなら」


「そうですか・・・」


「うん、やっぱりネットの世界もリアルも同じね」

「男は浮気する生き物」


「ん~。ボクには考えられないな」


「そうだねぇ。Y君真面目だもん」


(この頃はほんと浮気とか不倫とかに縁のない人間でしたw)



「そういえば、そっちはどうなの?順調?」

運ばれてきたシフォンケーキを軽く平らげて少し落ち着いたのか

N美はA子のことを聞いてきた。


「ええ、まぁ・・・。順調ですね」

別れ話を聞いたあとでは言いずらかったのですが

正直に答えるボク


「そっか、いいなぁ」

「A子のこと紹介するんじゃなかった」


「まぁ、そんなこと言わず。。。

A子もボクもN美さんには感謝してるんですよ」


「だからむかつくんだよ~」


「あはは・・・・A子構ってくれないって言ってましたよ」


「ええ?いいじゃん。Y君いるんだし

私となんて遊んでる暇ないでしょ?」


「いやいや、たまには女同士の話もしたいんじゃないかな?」


「贅沢~。男紹介してくれるんならいいけどね」

とにべもないN美


「あはは・・・・」



「それよりさ。N子がY君にチャットに誘ってって言ってたよ」

「Y君のこと気にいったんじゃない?」

「ネットするんでしょ?遊んであげたら?」

不敵な笑いのN美


「そうなんだ。じゃ今度いってみようかな」


「うん、喜ぶよN子」

「なんか相談したいって言ってたし」


「相談?」


「うん。私がいつもY君に話きいてもらってるって言ったからね。

話し聞いてもらいたいんじゃない?」


「はぁ・・・」


N美はカバンの中からメモをとりだしなにやら書き出しました。


「はい、これ。N子のハンドルネーム」

「ヤフーのメッセンジャー使ってるらしいから

友達登録しといたら?」


「わっかりました」


このN美のメモを受け取った時から

一度きりで終わるはずだったN子との関係が始まるのでした。








A子とはその後も順調に交際が続いていました。

バイト後に待ち合わせて映画を見たり、ご飯を食べたり

ふたりとも本が好きだったので、本屋巡りをしてお互いに買った本を

交換しあったり。週末はボクのマンションに泊まりに。

その頃は時間のほとんどをA子と一緒に過ごしていたような感じがします。



その日もいつものようにバイトに行くとN美に会いました。

「おはようございます」


「あ、Y君、おはよ」

「こないだは久しぶりに楽しかったわ」

N美が話し掛けてきました。


「急に誘ったのにありがとうね」


「いえいえ、いつもの事ですから」

軽く笑うボク


「そういえば、そうだねぇ」

N美も可笑しそうに笑います


「ねぇ、今日バイト終わったら時間あいてる?」


「ん、いいですよ」


「じゃ、ちょっと話あるからお茶でもしよ」


「はい。じゃ、前に行った喫茶店でも行きます?」


「そうだね。じゃーあそこで待っててよ。

早めに仕事終わらしていくわ」


「了解」



バイトを定時で終えたボク

30分ほど本屋に寄ってから時間を潰し

喫茶店に向かいました。


紅茶とシフォンケーキを頼んで買ったばかりの本を読んでいると

30分ほど経ってN美がやってきました。


「ごめんね、ちょっと遅くなった」

N美はコーヒーとシフォンケーキを水をもってきたウェイターに

注文すると椅子に座りました。