最近、眠れない日々が続いた。
起きれない日々が続いた。
太陽が昇る少し前に寝て、
太陽が真上に来る頃に起きる。
理由もなく、やる気もなく、寝たまま人生の1日を削っていく。
私が久しぶりに泣いたのは、
そんな日々に対する悔しさでもなく、
最近惰性で見ている映画に対する共鳴でもなく、
《朝焼け》だった。
早く起きたわけじゃない。
寝なきゃ、寝なきゃといつも通り思っていたら
いつもより2時間も長く起きてしまった。
私の部屋の窓は西向き。
だけど周りには建物がなくマンションの上の方。ぼーっと天井を見つめていたら輪郭があまりにもハッキリとしてきた。
朝日がちゃんと登りきっていた。
眠れなかった、という焦りが私を絶望させた。
重い体を起こしてベット脇の窓の外。
南西10キロほど遠くまでは見渡せるその大好きな景色を見た時、感情がぐしゃぐしゃにされた。
子供の頃、こんな朝に休みなのにちょっと早く起きてフレンチトースト作ったっけ。
運動会の日、晴れてるかな?ってカーテンを開けてこの景色を見た時、どれだけワクワクしてたっけ。
そんな懐かしさと、
いつぶりかしっかりと目に焼き付けたその優しいオレンジと水色が、どうしようもなく心に染み込んでしまった。
いつからこんなに"生きる"ということだけに精一杯になってしまったのだろう。
空は10年経っても何も変わらずに優しかった。