今日はご主人様がお客様を招いている。私に目隠しをし、おふたりが手に持った羽で撫でて、どちらか当てさせるゲーム。ご褒美は頬にキス。罰としては尻を打たれる。

絹のスカーフが私の視界を奪い、愛する方の香りが鼻を通り抜けて、私の脳を溶かしていく。そして感じる、ふたつの釣り上がった唇、興奮した息遣い。
まずは頬から首筋にかけて、羽の柔らかい感触。

『御主人様…?』

『当たり、やっぱりお前はイイ子だね。』

頬に御主人様のキスを受けて、思わず顔が緩む。そうして幸せな一方で、もしお客様なら、どんな表情をすれば良いのだろうと不安になった。
次は鎖骨から乳房。避けたい答えであっても、続けて御主人様ではない筈。

『…お客様?』

『よく判ったね、えらいよ。』

お客様が顔を近付けるのは一瞬なのに、ひどく長く感じた。違う感触に香り。戸惑うのは失礼になるから、初めてご挨拶したときと同じくらいの微笑みで…。

『ふうん、お前はお客様からのキスが欲しいのだね?』

いいえ決して違います、御主人様。私はあなたに喜んで欲しくて、自分の役目を果たすために答えています。目の奥が熱くなってきた。ああ、御主人様の持ち物に、私の染みができてしまう。

『そう言ったら可哀想だろう。君は私たちのゲームに一生懸命付き合ってくれているのにね。』

お客様の手が私の頭をそっと撫でた。この優しい態度が、苦しみをさらに膨らめていく。

今度は鎖骨から臍に。ああ、子宮を探っている。もう、お客様からのキスは受けられない。受けたくない。

『御主人様…』

お願いです、そうであって。

『残念、お客様だよ。よつん這いになりなさい。』

たった3回だけ体を軽くなぞられて、少し会話をしただけなのに。全身から汗が垂れている。

『出来の悪い私に、どうか罰をお願いします。』

熱いため息がふたり分、微かに聞こえた。ゲームはまだ、始まったばかり。尻を打たれて痛いのか、心を抉られる苦しさなのか、涙が溢れて止まらなかった。

『そのスカーフ、お前の苦痛と愛の涙が染みた目隠し、私の大切な宝物になったよ。』