外で働き始めるにあたって
まず彼に
「お前はお金の管理ができないから今度から俺が管理する」
と言われました。
日払いでお給料が貰えるところだったので、もらったらすぐに彼に全額渡すというサイクルになりましたが
それまで支払いが間に合わないほど困窮していたので、その時は逆に彼が管理してくれる事に有難いとさえ感じていました。
支払いのことでもう1人で悩まなくていいんだとほっとしていました。
そして彼に
「職場の人間のことを信用するな」
と言われていたので、当たり障りのない会話のみであまり心を開かないようにしようと思っていました。頑張って笑顔は作るけど、仕事以外の会話は避けていました。
しかし、ここで夫に出会い私は変わっていきます
夫は心を閉ざしていた私に対しても凄く気さくに優しく話しかけてくれて、仕事の事で悩んでる事はないかと気遣ってくれました
男性にこんなに優しくされたのは久しぶりなのもありましたし、職場に他の男性もいましたが何故か夫にだけは初めからドキドキしていました。
私の気持ちも少しずつ緩んでいき、周りにいる職場の女性にも目を向けると彼が言うような嫌な人はおらず優しい人が多いことに気が付きました。
そしてある日夫に、仕事が終わった後私が仲良くなった○○ちゃんと3人で飲まないかと聞かれました。
誘われた事に内心涙が出るくらい嬉しかった私は、何とかしてそこに参加したいと恐る恐る彼に聞いてみました。
仲良くなったお姉さんに仕事の後飲まないかって誘われたんだけど…
すると彼は
「は？？何でその人そんな事言ってくんの？何の魂胆があるわけ？車で来てる人間にそんな事を言うなんておかしいだろ！だから信用するなって前から言ってるよね？」
と言いました。
彼にいつもの様に罵倒されるのが怖かった私はそこで説得する事はせず、
そうだよねぇ…
聞かれたからちょっと聞いてみただけだよ
と誤魔化してしまいました。
その後職場で会った夫に誘いを断るのは凄く辛かったです。
職場にいる間は彼から解放されて自分でお金を稼ぐという充実感と、優しい人達に囲まれる事で段々と人間らしい感情が戻ってきました。
私は幸せなれない事は分かっている。だけど少しでも夫と仲よくなれたらいいな…
そんな風に思いながら仕事をしていて、
ついに夫に彼の事を打ち明けました。
実は彼氏がいるんですけど、なんていうか…いつも怒られていて…
話しながら涙がでる私
お給料も彼が管理してくれてるんですけど、
自分のお財布には200円くらいしか入っていないのであまり稼いだ実感がなくて…
しばらくうんうんと話を聞いてくれていた夫ですが、
「俺そういうの許せないんだけど。持病があるのか知らないけど、ありがとうは言われても怒られる筋合いはないんじゃない？お金も自分で好きに使えないなんておかしいよ」
と言いました。
凄く真剣に私の話に耳を傾けてくれて嬉しかったです。
よくよく考えると彼から私に対して「ありがとう」や「ごめん」という言葉を聞いた事がほとんどありません。
それでもまだ洗脳が解けていなかった私は夫に
でも私がお金の管理ができないので彼が管理してくれてるだけなんです。ほんとに封筒に支払い別に入れてくれたりしていて…
と言うと、
「お金の管理ができなかったんじゃなくて、彼がお金を入れてくれないから収入が足りなくて払えてなかっただけでしょ？やっぱりおかしいよ」
確かにその通りです。
彼が最初から外で働かせてくれていたら…
少しでも彼が家にお金を入れてくれていたら…
こんなに困窮する事もなかったんです。
その後、仲良くなった女性にも彼氏の話をしました。
その人もやはり夫と同じ意見で、
とにかくお金を少しでも自分で使えるようにどこかに保管した方がいいよ！
と色々とアドバイスもしてくれました。
そんなに辛い目にあってたのかと頭を撫でてくれました
この時嬉しかったのは、誰一人私に対して
早くそんな彼氏別れろ！
何で早く別れないだ！
とか言わなかった事です。
もしそれを言われていたら心を閉ざしていたと思います。
みんなただ私に対して寄り添い、
最終的に別れるかどうかは自分で決めればいい。
ただ辛い事があるなら話は聞くから
そういうスタンスでいてくれたんです。
実際数年前に家出をするきっかけになった当時好きだった相手には、
早くその人と別れてよ
早くこっち来てくれないなら結婚適齢期なんだし考えさせて
と言われていたので、最終的にそこに飛び込む事ができなかったのかもしれません。
次第に夫に対する気持ちが抑える事が出来なくなった私は、告白をしました。
すると夫も喜んでくれましたが
やはり彼の事があるので
別れたいのであれば助けるし、
これからも付き合っていきたいのであればそれはそれで応援をしようと思う。
でもそういう風にはどうしても見えないよ？
と言われました。
正直夫のように心の広い人間はそうはいないと思います。
逆の立場だったら早く別れてほしいと思うから。
7年もの間、何度も彼と別れたいと葛藤し、何度も諦めてきました。
私には幸せになる資格はないんだと思っていました
でも夫のおかげでついに行動を起こします。
つづく
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