ミシュランガイド初の東海3県特集、「ミシュラン愛知・岐阜・三重2019特別版」で、岐阜県は最高評価の三つ星に選ばれた店が唯一ゼロだったと。また、掲載店舗数も岐阜は117軒で、愛知の302軒、三重の209軒に水をあけられたと。
まあ当然と言えば当然だよね。ミシュランの審査員の舌はどんなものか知らんが、「岐阜」自体がまず、愛知・三重に比べたら観光客も少ないだろうし大都市でも無いでしょ?なので飲食店の絶対数だって少ないはず。星獲得の店舗数で比べたら可哀想だね。県内全飲食店の中の星獲得店の割合も載せてあげたら?もしかしたら愛知より高いかもよ。
まあでも田舎に行けば行くほど飲食店のレベルは下がる。そりゃあその土地独自の素材をその土地の食べ方で食べたら美味いよ。でも例えば同じ素材で同じ料理だったら絶対に都会の方が美味い。その理由は「競争」だ。
田舎を全否定するわけじゃないが、ホントに美味いものを食べたことのない料理人が、ホントに美味いものを食べたことのない客を普段相手にしている。これではどう考えても成長は無い。客にマズいとも言われないからそれ以上のものを作ろうとも思わない。研究もしない。店自体の絶対数も少ないから競合も無い。そうなると「競争」が無くなる。競争こそ成長の重要なファクターだ。なので三つ星が少ないのも当然の結果と言える。
自分の味を追求することに美学を感じている料理人が多い。それはそれで良いが、それと同時に他の味も研究することも大事なんだ。他店を無視し、自分のことだけに没頭するのは実はラクなんだよね。だからみんな他を見ない。これは俺から言わせればただの料理人の怠慢だ。僕は飲食店経営者には、どんどん他の店の味を見て来いと言っている。新しくできた店や人気の店にはどんどん行って味見してきた方がいいと。何かヒントがあるかもしれないし、自分のとこの味が負けてることに気付くかもしれない。つまり良いことしかないんだ。それなのに研究しない飲食店は結構多いよね。「(やべぇ、ウチより美味いかも)」とショックを受けるかもしれない。でもその “知る怖さ” にビビってたら成長は無いよ。
