とんだ4年間だった…。
2011年、その最後に思ったことである。
Today is the first day of the rest of your life.
2012年、その最初に思ったことである。
年の瀬、部屋の大掃除をした。とりあえずは「雪崩」の中から、勉強机を救出することが、2月にそこそこ大きな試験を控える僕には喫緊の課題であった。
そして「小さな掃除」は、もれなく、だんだん「大きな掃除」になってくる。
そこで、ここ数年間「聖域」と化していた本棚の一領域に手が及ぶ。
受験生時代のテキスト・ノートたち、である。
真っ黒になるまで使い込まれた問題集。
何度も何度も読み込み、書き込んだ授業ノート。
付箋をたくさん貼ったテキスト。……
どれも、今自分が在籍しているまさにその大学を目指していた「過去の自分」が、文字通り魂を込めて使った物たちである。
あるテキストの背表紙や扉ページには、先生方のサインがあった。
「自分の力を信じてがんばれ!」
「君の患者が待っているぞ」
「良い医者になってください」
「今の一瞬に永遠の力を吹き込んで」
……
そして、あまり個人的には頻繁に質問に行っていたりはしなかったけれど、僕のことをそっと見ていて下さった尊敬する現代文の先生からは、添削答案の脇に、小さく、一言、
「……今度こそ、必ず」。
さらには、2年間の浪人時代を支えてくれた、クラス担任からの手紙を数年ぶりに見つけた。
「君の努力は私が認めます。もう十分に苦しんだのだから、この大学に合格する資格がある。君は、この大学に最も相応しい人だと思っている。心から応援しています。今年こそ大丈夫!」
* * *
「あの時の自分の努力、周囲の応援に報いるだけの生き方を、今の自分はしているのだろうか」
そういう問いが、ふと、脳裏をよぎる。そして、背筋に寒気が走った。
あぁ、今までの4年間、自分は何をしていたんだろうか。
希望を見失うこともあるかも知れない。
今自分がすべきことに心が向かず、道を外してしまいそうになることもあるかも知れない。
でも忘れてはならないのは、紛れもなく、自分は「あの時」を経てきた、ということ。
あの時、あんな人やあんな人から、かけがえのない支えをいただいて、あんなに努力した。
それは自分だけの力では決してなかったはずである。
その「過去」を経て、今の自分がある。
自分だけではない、その時に支えてくれたいろんな人の「過去」を背負って、今、自分は歩んでいる。
そんな大事なことを、僕はこの4年間で、すっかり忘れてしまっていた。
* * *
あの校舎で、あの人たちと、浪人時代を過ごすことができて、僕は本当によかった。
心の底からそう思った。
「あの過去」は、過ぎ去った今もなお自分の中で「不動点」として、自分の軸を形成している。
頑張ろうとか、変に気張らなくていい。
とりあえず、今自分のすべきことを、淡々と一つひとつ、やっていこうじゃないか。
「今何やってるかって?そうだな、ま、元気にやってるよ」
「あの時の自分」、「あの時のあの人たち」にどこかの街角でばったり出会った時に、屈託のない心からの笑顔を向けながらそう答えられるように。
2012年、始まりの時。
Yes, today is the first day of the rest of my life.
皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。
2011年、その最後に思ったことである。
Today is the first day of the rest of your life.
2012年、その最初に思ったことである。
年の瀬、部屋の大掃除をした。とりあえずは「雪崩」の中から、勉強机を救出することが、2月にそこそこ大きな試験を控える僕には喫緊の課題であった。
そして「小さな掃除」は、もれなく、だんだん「大きな掃除」になってくる。
そこで、ここ数年間「聖域」と化していた本棚の一領域に手が及ぶ。
受験生時代のテキスト・ノートたち、である。
真っ黒になるまで使い込まれた問題集。
何度も何度も読み込み、書き込んだ授業ノート。
付箋をたくさん貼ったテキスト。……
どれも、今自分が在籍しているまさにその大学を目指していた「過去の自分」が、文字通り魂を込めて使った物たちである。
あるテキストの背表紙や扉ページには、先生方のサインがあった。
「自分の力を信じてがんばれ!」
「君の患者が待っているぞ」
「良い医者になってください」
「今の一瞬に永遠の力を吹き込んで」
……
そして、あまり個人的には頻繁に質問に行っていたりはしなかったけれど、僕のことをそっと見ていて下さった尊敬する現代文の先生からは、添削答案の脇に、小さく、一言、
「……今度こそ、必ず」。
さらには、2年間の浪人時代を支えてくれた、クラス担任からの手紙を数年ぶりに見つけた。
「君の努力は私が認めます。もう十分に苦しんだのだから、この大学に合格する資格がある。君は、この大学に最も相応しい人だと思っている。心から応援しています。今年こそ大丈夫!」
* * *
「あの時の自分の努力、周囲の応援に報いるだけの生き方を、今の自分はしているのだろうか」
そういう問いが、ふと、脳裏をよぎる。そして、背筋に寒気が走った。
あぁ、今までの4年間、自分は何をしていたんだろうか。
希望を見失うこともあるかも知れない。
今自分がすべきことに心が向かず、道を外してしまいそうになることもあるかも知れない。
でも忘れてはならないのは、紛れもなく、自分は「あの時」を経てきた、ということ。
あの時、あんな人やあんな人から、かけがえのない支えをいただいて、あんなに努力した。
それは自分だけの力では決してなかったはずである。
その「過去」を経て、今の自分がある。
自分だけではない、その時に支えてくれたいろんな人の「過去」を背負って、今、自分は歩んでいる。
そんな大事なことを、僕はこの4年間で、すっかり忘れてしまっていた。
* * *
あの校舎で、あの人たちと、浪人時代を過ごすことができて、僕は本当によかった。
心の底からそう思った。
「あの過去」は、過ぎ去った今もなお自分の中で「不動点」として、自分の軸を形成している。
頑張ろうとか、変に気張らなくていい。
とりあえず、今自分のすべきことを、淡々と一つひとつ、やっていこうじゃないか。
「今何やってるかって?そうだな、ま、元気にやってるよ」
「あの時の自分」、「あの時のあの人たち」にどこかの街角でばったり出会った時に、屈託のない心からの笑顔を向けながらそう答えられるように。
2012年、始まりの時。
Yes, today is the first day of the rest of my life.
皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。