バス釣りをする奴って、大体2つに分けられる。
友だち二人や、何組かの仲間たちとやる お友達組。
かたや仕方なく或いはあえて一人でやる奴。
オレは後者を孤高と呼んで実践している。
ところでボートの釣りって、こんなに広いフィールドなのに、一箇所にボートが集まってる時が
あるんだ。 みんな魚探を持ってるから、バスの
大好物のワカサギの群れを探して釣るからこうなる。
多い時なんか、10艇、20艇当たり前で、近い時には5.6m距離で互いの釣りをする。
お友達組は、楽しそうにたわいもない話しながらやるんだけど、孤高たちは無口に、ただ湖面を
見つめている。
そうこうしてる間に、ワカサギの群れが去ったのか、釣り上げる奴が誰もいないからなのか、
気が付いたら、オレともう一艇だけになっていた。
バシャン⁉︎ バシャン‼︎
湖面をバスが跳ねる音。しなるロッド。
緊張がラインの張りを見てもわかる。
シャーっと、控えめに、でもオレにも聞こえるように見知らぬ孤高は放った。
40.いや45cmはあるだろう。 立派な個体だ。
こんな時はサングラスが役に立つ。
オレは凝視してるが、サトラレたくない。
目線はサングラスが隠してくれる。
何事もなかったかのように、オレは次の一投を湖面に投げた。
釣った彼は、なんかの儀式のように長さを計り、
重さを測る。
そしてスマホでパシャリとするんだ。
ホントのオレの性格なら、
『いいバスっすねー。太いじゃないすか。
何センチすか?』って簡単に言えるはず。
でも孤高なんだ。そんなこと言わない。
でも何のルアーで仕留めたのか知りたい。
『手持ち写真とりましょうか?』
バサーは、釣ったバスを目線高く持ち上げて、
バスと一緒に写真撮りたい。友だち組なら
簡単にできることだか、孤高はそうもいかない。
だから、大抵バスだけの写真か、スマホの自撮りになるが、迫力がでない。
だから、大物をゲットしたバサーは、みんな
思うんだ。
『写真撮ってもらっていいですか』
何度でも言う。孤高だからこれを言わない。いや
言えない。
だからきっと『手持ち写真とりましょうか?』と
声掛ければ、じゃ、いちおうお願いしよかなって
ちょっとふくれっ面で言うに違いない。
その時、ルアーは何でした?って明るい聞けば
教えてくれる。もしかしたら一つどうぞってバスを仕留めたワームをくれるかも知れない。
けれどオレは、彼が写真を撮り終えて、バスを湖面に放すのをサングラスの奥から見守った。
今日も孤高を貫いたよ。熊さん。