結城市の歴史 近代結城のなりたち

引用 参考書籍 結城市史 第六巻 近代現代通史編 発行:結城市  編集:結城市史編さん委員会

P764

販売の統制(2)

新公定価格制定当時、大衆向け結城紬は、反当り70円見当であった。これに要する経費は

糸代35円、染代7円、税6円、織賃12円の計60円であり、利益はわずか10円にしかなら

なかった(a)。販売の統制は、価格の統制から配給制へ進んだ。1942年(昭和17)1月

20日繊維製品配給消費統制規則が公布され、翌月1日から衣料品購入の切符制が実施され

国民は一定量以上の品物を買うことができなくなった。この規制に従い全国的な販売統制

機関である日本絹人絹織物配給統制株式会社が組織され、同年12月には普通生産絹人絹

織物暫定取扱要綱が制定され、生産者からの販売ルートと取扱手数料が詳しく定められ、

結城紬もその中に組み込まれることとなった。

 

(a)昭和16年12月1日付<いはらき>新聞より

 

<販売の統制 終わり>