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紬技術講習会 平成24年度 講師 日下田 正 先生

平成24年度 (結城)紬織物技術講習会

講師 日下田 正 先生

<日下田 正>とはどんな人物か?→栃木県伝統工芸品<益子草木染>

日下田藍染工房(栃木県有形文化財指定 の藍染工房です。) 本人は栃木県無形文化財指定(平成17年)で、

日下田さんが藍について、かなりの長文で書かれているが、おいらが彼の文章を簡潔に抜粋すると、

<あまりに複雑な染法、そして原料である藍が高価であるということなど、やむを得ないことであり、

やがては滅びゆく運命にあるのではないかと思います。>というのである。インドからはるばる日本に伝わった藍

はジャパンブルーと呼ばれ、東洋でも高い評価をうけているが、原料が高すぎて職人の利幅がせまいといいたいのである。

もちろん、この時期(2012年)に講師としてよんだのは適任者である。バックボーンが結城紬とかなり似ている。

ただ、結城紬と違うところは、結城紬は利幅をかえても客がくるところにある。それに対して、藍染めは難解な技法で

はあるが利幅をかえると他の産地に客をもっていかれたりする。でも、結局、ギリギリの環境の中で仕事をしている

ということに変わりがない。

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講師 日下田 正 先生
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藍の品種を実物で紹介し説明。
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2時間もこんなアツい中で語るからすごい。
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麦茶のボトルを飲み干したが、うなずける。熱いよ。
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明治時代の染色の型。
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この型つくったのが100年前。職人のクオリティーの高さが100年前とは思えない。まるで機械で精巧に作られたみたいにみえる。ただ100年前にそんな機械の技術力はないと彼はいう。
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これみて思ったんだけど、結城紬の直接染色法やってる野郎とかは、こういうの使ってんじゃないのかって思う。プリントみたいに。想像だけではなく、おそらくこういうのがスリコミ(直接染色法)に応用できるから、スリコミは結城紬の指定された技法になりえなかったのだと思う。
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一枚くれ。っていいたい気分に陥るから怖い。
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アメリカのファッションショーで<アナスイ>に採用されたらしい。
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こことここの色は草木染め。色かえてるいるんだよ。草木染めって言葉は造語ですよ。それには歴史があって、調べてくださいってそんな暇じゃないよ。それはそれでいいじゃん。

あとがき

講習会遅刻で参加だったが、参考になることもある。

結城紬の商品開発という意味で、講師に最後に質問してみた。しかもかなりきわどい質問である。

おいら:藍染めは木綿布にライスペースト(糊をつけて防染する技法)するが、これを絹で絣くくりでやったらできるのか?

講師:これは染めですよ(後略)

おいら:たとえば、これからの若い20代とかの、やりたいって人がいたらどれくらいで、藍染めの一人前になれますか?

講師:(かなり略)ひとにもよる。

<<この質問にもヒストリーがある。皆さん(というより関係者)でも藍染めで百亀甲の素晴らしい細工物の本場結城紬

はみたことがないと思う。なぜなら、技術うんぬん、素材、性質、におけて不可能であるからである。あればとっくに

主流になっちまったと思う。それゆえ、講師(日下田正さん)くらいの熟練者ならできるかもしれないと思ったのである。

ただ、この常識はくつがえらないようにできている。それなので無駄な(愚問)質問だったがあえて質問させてもらった。>>

 
2012.6.28.北村織物サイト2から抜粋しヤフーブログへ掲載。