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 普段、外出時にスニーカーを履いているが先日、用が有り数ヵ月ぶりに皮靴を履いた後、仕舞う前に埃を落とそうとブラシで磨いた。学生時代、毎日自分の靴を磨いていたから、数分で終えようとしたが、少し汚れが気になり、クリーナーを入念に付けて磨き直したら、いつもより遥かに綺麗にぴかぴかに成り、少し驚いた。
 昔、終戦後の都会で靴磨きを商売にしている人達が結構居た様だったし、それが流行歌に歌われた記憶が有る。その頃の私は、その様な仕事が成り立つのが不思議であり、自分で磨けば数分で済むのに、その事にお金を払って迄して他人に頼むとは、何と贅沢な事かと思ったのだった。しかし、今日自分で丁寧に、靴を磨いてみて、汚れをきちんと落とす事は思ったより大変であったが、その時の靴の輝きは今迄の自分で普通に磨いた時に比べ、遥かに勝る事に気付いた。つまり、靴を磨きその輝きと美しさを生む事は一種の熟練を要する事であり、それはお金を払う価値が有る事だと気付かされたのだ。
 一見、簡単そうに見える仕事でも、そこに気持ちを込め、より良い結果を出す為に頭を使い、工夫と色々な経験を経てそれを価値の有る仕事に成し得ると思う。職業に貴賎は無いとよく言われるし、自分でも常に出来るだけそうしているが、今日その事に改めて気付かされた。
 今迄自分としては色々な事を経験し、全てを判っている積りだったが、未だ未だ気付いていない事が多く、人間、死ぬまで学ばねばならない事が多いのだと思い知らされた。
 また、自分よりはるかに若い人、子供にさえも教えられる事が多いのは事実だし、老いては子に従え、と言う言葉もある意味で真実を突いている。自分の未熟さを感じた事であった。