3/14は父の命日。

あれから9年経ったけれど
私は父が望むような人間にはなれなかった。

「美容師になれよ」
「お前の一番目のお客さんになる」
そう言っていた父が
亡くなった理由は遺体解剖の結果
肺水腫と急性アルコール中毒。

父は亡くなる半年くらい前
トラックのタイヤ(めちゃくちゃ重いヤツ)を
足に落として骨折した
全治1ヶ月の怪我で通院だった。
骨折してすぐ一緒に病院に行ったのは
会社の社長夫人、奥さんだった。

その場で父は医者から言われていたらしい。
「これ以上お酒を飲むと死ぬ」
「飲まない方がいい」
奥さんは私たちに言おうとしたが
父が自分から言いますと言ったそう。

一切聞いたこと無かったけどね。

煙草とお酒さえあれば生きていけるような人だったし
本当に私たちのことを愛していたのか不安になる。

父は妹を毛嫌いしていた。
妹の入園式も入学式準備も疎ましそうだった。
兄は母側の前夫との連れ子だ。
だから兄のことは避けていた。
兄自身も避けていた。

父が見ていないところで家族は父を(おっさん)
と呼んでいた。

可愛くて綺麗な女の子が好きな父は
何故可愛くもない母と結婚したのかは未だにわからない。

でも父は私たちの為に勇敢だった。
トラック運転手を週6でしながら
空いた時間に知り合いの店に手伝いに行き
アルバイトでお小遣い稼ぎ。

だから私は11歳まで父に育ててもらった。
母にも感謝してもしきれないが
父には本当にもっと生きて欲しかった。

なんで自分だけ父がいないのか
なんで私はこんなに苦労するのか
悔しく思う時もある。

でも父はきっと私の泣いた顔は見たくないから
心配させ過ぎちゃダメだから頑張らないとね。

パパ。
私は20歳になったよ。
昔はだいっきらいな頑固なパパだったけど
今になって本当に尊敬するただ一人の父親です。
どうか少し遠くで見守っていて下さい。
ずっとずっとだいすきだよ。

fin.