過去の想い出~現在の想い~
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最終日~告白~

僕は彼女に会うために飛行機に乗った。
彼女には近県に用事があるからという理由で会うことにしていた。

翌日、彼女と駅で待ち合わせをし、
とある観光地へと遊びに行った。

僕は彼女との時間を満喫した。
顔を見て話をすることができるし幸せを存分に感じていた。

しかし、その時間は永遠であるわけはなく、
僕たちが一緒にいられるタイムリミットは刻々と迫っていた。

僕は誰もいない公園に彼女を誘導し、ベンチに腰掛けた。
二人の間を沈黙が包み始める。

彼女は僕の都合を考慮してくれたのか、
もしくはそのような雰囲気を察したのか、
そろそろ行こうかと言ってきた。

今しかない

僕は想いを伝えた。

彼女は伝えられるのが分かっていたかのようにすぐに答えた。


「絶対無理。今は考えられない。
 なんで今さら。。。
 今ようやく普通の友達として会えるようになったのに」


少しでも期待していた僕の心は簡単に打ち砕かれた。
諦めかけた僕は
今までの引きずっていたこと、
別れを告げたときに後悔したこと、
今回が最後だと思って来たことなど、
包み隠さず彼女に伝えた。

思えば、こんなに彼女に自分の思いを伝えたのは初めてだった。

すると彼女も答えてくれた。
彼女もかなり引きずっていてくれたこと。
一時期、僕を完全に嫌いになったこと。
去年までは会うなんて絶対考えられなかったこと。

彼女は複雑な表情で言った。

「こんなことってあるんだね」

僕は全ての物事を前向きに捉えるしかなかった。
不思議とそう捉えることができた。

駅に戻ってまだ少し時間があったので、
僕は彼女に少し時間をもらった。

僕は諦められなかった。
彼女の発した数々の言葉。
その言葉からはどうしても完全に拒否されているとは思いたくなかったからだ。

僕はもう一度話しを切り出した。

「今はいろいろ大変だろうから、考えてくれなくてもいい。
 でも、半年後、1年後、数年後、いつでもいい、
 余裕ができたら少しでいいから考えてみてくれないかな」

彼女は答えてくれた。

「・・・うん。でもあんまり期待しないでよ」

暗かった僕の未来に一筋の光が差し込んだ。
この言葉を聞いてから僕は彼女の顔を見つめ続けた。
色んな話をしたが、僕はずっと彼女の目を見ていた。


彼女が再び僕のほうを振り向いてくれる可能性は限りなくゼロに近いだろう。
でも、ゼロじゃない。
僕は二度と彼女を裏切らない。
彼女から答えをもらえるまで、僕は信じている。

僕と彼女のたどり着いたゴールがどこにつながっているか、
それは誰にもわからない。
もしかしたら彼女の心には見えているのかもしれない。

僕は願っている。
僕たちをつなぎとめてくれたのが運命の赤い糸であったことを。
僕の想いが彼女に伝わることを。


あの日が全ての始まりになることを。

22日目~再会~

別れてから5年目の1月1日、
僕たちは再び出会った。

きっかけは僕。
初詣に誘ったらOKされて一緒に行くことになった。

ドキドキした。
駅で待ち合わせをし、
僕は早く行って彼女を待った。

彼女はやってきた。
昔とほとんど変わらない雰囲気を身にまとって。

ほんの数分だが、僕は遠くから彼女を見つめていた。

「久しぶり」♪
といって話しかけると、
彼女は僕の記憶の中にある笑顔と同じ笑顔でにこっと微笑んだ。

電車に乗り初詣に向かった。

人が多かったこともあり、初詣自体はすぐ終えたのだが、
その後近くの海に遊びに行った。

浜辺で遊ぶ彼女を見て僕の心は何かを思い出した。
そしてそれはあっという間に僕の心を支配した。

好きだよ

一声掛けようと何度思っただろうか。
結局その日は何も伝えることができなかった。

家路に着き、実家を離れていろいろ考えた。

考えれば考えるほど
彼女への想いは募っていった。

このまま何も伝えずに終わったら一生後悔する。

僕は決心した。

この想い全て伝えます。

21日目~進学~

僕たちは別々の道を歩み始めた。

別れて以来、
僕たちが顔を合わせることはなかった。

僕は別の女の子を好きになったこともあった。
実際に付き合ったこともあった。

高校も終わりに近づき、
僕は大学受験をすることになった。

僕は当初近隣の県(A)の大学を志望していたが、
興味の変化とともに成績も変化し、
かなり離れた県(B)にある大学に志望を変更した。
受験生の始まりとなる高校3年生の最初のことであった。

この志望校変更が、
僕の人生の歯車を大きく狂わせる原因となることに、
当時の僕は全く気づいていなかった。

ただ成績が順調に伸びていくことだけに
僕の意識は奪われていた。

受験に成功し、
僕はB県で大学生になることができた。

ふと、彼女のことを思い出し、
共通の友達を通じて彼女の連絡先を教えてもらった。

返ってくるのか不安に思いながら、
僕は彼女にメールをした。

返ってきたメールの中のある言葉が、
僕に神様のいたずらを教えてくれた。

「今A県に住んでるんだ♪」

20日目~別れ~

テスト前、部活がないときに、
僕はある友達と一緒に帰りながら相談をした。

「最近彼女とうまくいってないんだ」

僕はどんな答えを期待していたのだろう。
励ましてほしかったのか、
ただ単にグチを聞いてほしかっただけなのか。

その友達は別れることを勧めてきた。
この瞬間、
僕の中の選択肢の一つに「別れ」というものが加わってしまった。

そしてその新しい選択肢は、
「楽になれる」
という悪魔の囁きをどす黒い光で発していた。

僕の心は簡単にその暗黒の誘いに負けてしまった。

その日の夜、
僕は人生で最大の過ちを犯すことになる。

僕は彼女に最後の電話をかけた。
彼女はいつも通り元気に出てくれた。

しかし、それは普通を装っていただけだった。

長い沈黙の後、
僕は取り返しのつかない一言を発してしまった。

「もう、終わりにしないか」

彼女はなんとなく気づいていたらしい。

でも、電話の向こうで彼女が泣いているのが
はっきりと分かった。


絶対に忘れてはいけない事実。
僕は彼女を泣かせた。
完全に彼女の心を傷つけた。

それなのに、彼女をまだ好きだというのは
自分勝手にも程があるのは重々承知している。

でも、、、
好きなんだ。

19日目~2人の距離~

一度転がりだした運命のボールは、
全く止まる気配を見せずに転がり続けた。

転がっていく途中で様々なものを付着させていく。
それは少なくとも良い感情と言えるものではなかった。

なかなか会えないことが知らず知らずのうちに、
ストレスとなり、不満となり、
僕の周りを多い囲んでいった。

僕が一言、
「会いたい」
と言えばいいだけの話だった。

でも、当時の僕は何もできなかった。
弱すぎたのだ。

何もしないという僕の行動が、
彼女を不安にさせてしまったのだろう。

メールをするようになっていたが、
彼女から送られることが少なくなり、
僕から送っても長く続くことはなかった。

3年間続けていたお祭りにも行かなくなった。

クリスマスも会えなかった。

3ヶ月くらい会えない日が続いたある日のことだった。
僕は友達にある相談を持ちかけた。

18日目~進学~

夏が終わり、
冬が訪れ、
僕たちは高校受験を迎えた。

僕はいろいろと悩んだ結果、
勉強を選び、公立高校への進学を決めた。

一方、
彼女は女子高への進学を決めた。

僕たちの距離はさらに広がった。
加えて、僕が通常の部活とは異なる形で体操を続けたため、
彼女との時間にズレが徐々に生じてきた。

僕たちを照らしていた光が力を失い始めた。

17日目~手~

彼女と芝生に座ってみる花火は、
15年生きてきた中で最も美しかった。

花火は一瞬の輝きだからはかなくて美しいと言われる。
僕の隣りでは彼女が、
その美しさをはるかに上回る美しさを放っていた。

僕は彼女に気づかれないように、
花火そっちのけで彼女の顔を見ていた。

花火の途中、
僕は彼女の手を握ろうと何回も考えた。

でも僕の弱い心はそれを許さなかった。
避けられるのを必要以上に心配していた。

それでも僕は機会を探っていた。

花火が終わって、ぶらぶらと歩くことになった。
その時、チャンスは訪れた。
いや、彼女のほうから意識して作ってくれたのだろう。

人が多いということを口実に、
彼女はぼくの服をつかんで歩き出した。
僕は迷わず声をかけた。

「手、つなごうか?」

僕と彼女の距離が一気に縮まった。
彼女に対する自分の気持ちが一気に高まった。

座ってかき氷を食べたあと、
今度は彼女から手を差し伸べてきた。
僕たちは当たり前のように手をつないで歩き始めた。

今思えば、この時が僕の人生のピークだった。
この先の人生において、
これ以上の幸せは訪れるのだろうか。
おそらく余程のことがないと無理であろう。


ブログ終了まで残り10日。。。

16日目~受験生~

3年生になっても、
僕は受験を全く意識することなく、
部活中心の生活を送っていた。

夏休み前くらいからか、
彼女との手紙の内容に高校に関する話が混ざり始めた。

僕は推薦で私立の高校に行くか、
一般入試で公立高校に行くか決めかねていた。

この頃、彼女の返事はいつも
「まだ決めてない」
というものだった。

僕たちの周りの私立はスポーツ高校ばかりで、
彼女からしたら滑り止めでしかなかったので、
私立に行けば離れ離れになるだろうということは分かっていた。

また、僕たちの学区には普通高校は1つしかなかったので、
公立を選べば彼女と同じになるだろうと思い込んでいた。

きっと神様だけは彼女の胸の内を知っていたのだろう。

僕たちは3年生になる際に転校生を迎えたことで、
人数が規定の範囲を超えてしまい、
再びクラス替えをしていた。

このクラス替えで僕と彼女の距離は、
またしても大きなものとなっていた。

僕は1階のクラス、
彼女は2階のクラスになっていた。

これは神様の余計な気遣いだったのだろう。

僕はせめて同じ中学校にいる間だけでも
近くで生活したかった。

中学最後の夏休みを前に、
僕は彼女をお祭りに誘った。

いつもとは違う、
花火が数千発打ち上げられるお祭りに誘った。

僕は彼女のことを完全に一人の「女の子」として
意識し始めていた。

15日目~手紙~

いつからか、
彼女の提案で、
僕たちは手紙の交換を始めた。

今と違って携帯電話がそんなに普及していなかったため、
メールなどという連絡手段は無かったのだ。

手紙とメール、
これはどちらも文字で気持ちを伝えるものだが、
無機質なメールと違って、
手紙には人それぞれの個性が表れる。

僕は彼女の書く字が好きだった。
彼女の字はいつも僕のそばで、
色々なことを語ってくれた。

僕自身は手紙を書くといったマメなことは
得意ではなかったのだが、
彼女からの返事を楽しみにしながら
毎回手紙を書いていた。

僕は手紙を渡すとき、
いつも緊張した。

みんなに見られるのが恥ずかしくて、
朝早く彼女を待ち伏せしたことも多々あった。

相手が彼女だからできたことだ。

もし他の人が相手だったら、
そこまで一生懸命にはなれなかっただろう。

彼女は僕の中で常に特別な存在だった。

3年生になり、
僕たちは高校進学を考えなければならない時期になった。

僕は体操をとるか、勉強をとるか悩むこととなった。

彼女が僕とは違う道を歩こうとしていることに、
当時の僕は後に知ることとなる。

14日目~転機~

彼女の顔を見る機会が減ったためか、
僕は部活の終わりに彼女を見ようとすることが多くなった。

わざとゆっくり帰り支度をして、
彼女の部活が終わる時間に合わせたこともあった。

彼女は照れながらも一緒に帰ってくれた。

彼女もまた、体育館に来るようになった。

そんなに頻繁にではなかったが、
それがまた僕たちの間に新鮮味をうまく保ってくれた。

周りの友達が付き合ったり別れたりしている間も、
僕と彼女は安定した日々を送っていた。

良く言えば安定だが、
悪く言えば全てをさらけ出していなかったのかもしれない。

当時の僕はそれで十分満足だった。
ただ、あくまで「僕は」であった。

もっと彼女の心を分かろうとする努力が欠けていた。
もしかしたら彼女はこんな僕たちの関係に
不満を抱いていたのかもしれない。

過去のことを振り返っても無駄だという人もいる。
でも僕はそうは思わない。

現に今、こうやって彼女のことを思い出すことで、
自分がどれだけ愚かだったかを確認することができる。

彼女のことをどれだけ好きだったかを確認することができる。

そして、
それらを活かそうと行動するきっかけになる。

僕は今、
時間のように、
立ち止まることも戻ることもできない
道を歩み始めた。

どこにたどり着くかはわからない。

無事たどり着いたとしても、
そこが本当に目的地であるかはわからない。

何もわからないけど、でも、
きっと何かがある。

僕と彼女の関係に、
大きな変化をもたらす何かが。